建通新聞社(中部)
2011/11/09
【愛知】豊川市 新市民病院建設事業 監理業務に地元設計業者10社が参画
豊川市は、新豊川市民病院建設工事の監理業務を、大手設計業者と地元設計業者10社の共同企業体に委託して進めている。同市では、こうした大型プロジェクトの監理業務に、共同企業体とはいえ地元企業が元請けとして参入することは珍しい。
監理業務を担当しているのは大手設計事務所の日建設計と愛知建築士会豊川支部設計部会10社の共同企業体。
同設計部会は2010年9月、地元中小企業の育成と地元経済の活性化を理由に、監理業務への参画を市側に陳情した。市はこの陳情を受け入れ、7月1日付で同共同企業体と随意契約を締結した。同市の新病院建設担当職員は「新病院稼働後、施設にトラブルが生じた場合、施設全体の構造を熟知する人が近くにいてくれると心強い」と、地元企業が参画するメリットを話す。
また、同病院建設事業では、病院棟新築工事の発注でも珍しい方式を採用した。入札金額だけではなく、市内業者の活用度などを評価する入札方式で、竹中工務店名古屋支店が受注した。落札金額は110億7792万円で、このうち64%に当たる70億8000万円が市内業者へ発注されることになる。
こうした同市の地元企業に配慮した発注方式は、今後大型プロジェクトを抱える自治体や地元企業への良い前例となるか、今後の動向が注目される。