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建通新聞社(中部)
2011/11/08

【三重】三重県医療審議会地域医療対策部会 県地域医療再生計画 59億円余を内示

 三重県医療審議会地域医療対策部会(部会長・竹田寛三重大学付属病院長)の第2回部会が1日に県庁講堂で行われ、6月に厚生労働省に提出した「三重県地域医療再生計画」<拡充分>(案)の要望額105億7529万円に対して、約49・3%に当たる59億7955万円が県配分額として内示されたことなどが報告=写真=された。同計画案には桑名市民病院再編統合や紀南病院整備などのハード面の事業と医療体制の充実などソフト面の事業が盛り込まれており、今後、各事業者が必要に応じて事業計画の修正などを行い、基金の交付申請に当たる再生計画を国に提出する。
 同再生計画案は、10年度の国の補正予算に伴い、都道府県が2011年度から13年度までの3カ年の計画で策定し交付金を申請した。計画案では、「救急医療などの充実」「小児・周産期医療の充実」などの3つの取り組みについて具体的な施策などを盛り込んだ。県では3次医療圏(県全域)を対象にした同計画案をまとめ、要望額105億7529万円を申請。このうち15億円は基礎額として計画通りに配分されるため、加算額の約90億円に対しての内示額が焦点となっていた。その結果、内示額は約44億円となり、合わせて59億円余となった。内示額・率は全国的には、要望額の規模の大小や、東日本大震災の影響を受けた県などへの配慮もあり格差があるが、全国平均45・8%の内示率で、三重県は3・5ポイント多い配分となった。同部会では「すべての事業が評価されたこと」「加算額の配分は、申請額と内示額の比率により配分する」などの事務局案が了承された。
 ハード面の主な事業の内容と配分される内示額(案)は次の通り。
◇桑名市民病院と山本総合病院の再編統合に伴う地域中核病院整備事業
 総事業費は106億円。このうち、基金負担分の当初要望額53億円に対して26億6671万円の内示額。
 計画では桑名市寿町3地内の山本総合病院敷地内に、延べ約3万平方b(400床)、耐震(免震)構造の施設を整備。新病院は、桑名地域の医療需要や担うべき医療機能を踏まえ、センター機能を設ける。また、院内保育所を整備する。事業費の内訳は、施設整備に約68億円、両病院の再編統合(資産買い取りなど)に約23億円、医療機器の整備に約13億円、電子カルテ導入に約2億円を見込んでいる。既設の病院は、桑名市民病院(234床、1966年開設)、桑名市民病院分院(79床、51年開設)、山本総合病院(349床、51年開設)で、施設の大部分が耐震規準を満たしていない状況。
◇紀南病院整備事業
 総事業費は17億6000万円。このうち、基金負担分の当初要望額8億8000万円に対して4億8500万円の内示額。
 計画では、紀南病院(御浜町阿田和)の老朽化に対応して、本館建て替え、ヘリポート施設、回復期リハビリテーション病棟(40床)新設などや、医療機器ではCTやMRIの整備を図る。既設本館は鉄筋コンクリート造4階建て延べ2463平方bで、1965年建設。
◇脳卒中回復期リハビリテーション病床整備
 総事業費は4億円。このうち、基金負担分の当初要望額2億円に対して同額の内示額。回復期リハビリテーション病床が未整備の東紀州や同病床が不足している南勢志摩に施設を整備する。(東紀州地域は紀南病院整備に計上済み)
◇こころと身体の発達支援拠点整備
 総事業費は57億3000万円。このうち、基金負担分の当初要望額28億3219万円に対して14億4860万円の内示額。
 県立草の実リハビリテーションセンター(津市城山1)と県立小児心療センターあすなろ学園(〃)を、こころと身体の発達支援拠点「こども心身発達医療センター」(仮称)として一体的に整備する。具体的には、病院機能を整備し、居室環境や医療設備などを改善する。調査・基本計画に3000万円、基本設計・実施設計に1億5000万円、建設などに55億5000万円を見込む。