建通新聞社
2011/11/07
【大阪】大阪市立大学 人工光合成研究拠点整備へ 8.8億の補正成立 来春着工目指す
大阪市立大学は、人工光合成研究拠点の整備に必要な大阪市の補正予算が承認されたため、2012年度末の完成・供用を目指して事業を進める。11年度末に工事を発注し、12年4月に着工する予定だ。
建設地は市立大学の杉本キャンパス(大阪市住吉区杉本3−3)。キャンパス内の空地を利用して、3階建て延べ約1,500uの施設を建設する。施設内容は、実験室2室、分析機器室4室、企業研究者居室6室、会議室2室など。設置機器はNMR(核磁気共鳴装置)、X線回折装置、FT−ICR−MS(質量分析器)、原子間力顕微鏡など。
大阪市の9月議会で、エネルギー施策の推進策として補助金5,800万円と債務負担行為の補正8億2,200万円の合計8億8,000万円が認められた。
人工光合成のメカニズムを用いたメタノールなどの生成を目指す研究拠点の整備。施設完成後は、複合先端研究機構を中核とした学内外の協力体制を構築し、人工光合成によるメタノール生成技術の実用化に向けた研究・開発を加速する。 研究内容は、光合成の仕組みを活用し、空気中の二酸化炭素からメタノールなどのエネルギーを取り出すもの。メタノールは、自動車燃料としても近年注目を集めている。開発に成功すれば、原子力や化石燃料に代わる新たなエネルギー源にもなると期待されている。