建通新聞社四国
2011/11/04
【高知】南海地震対策を抜本強化 県の12年度予算
高知県は、2012年度の予算編成に当たっての基本的な考え方について十河清副知事名で各部局などに通知した。
12年度予算編成のポイントは、県経済体質を抜本的に強化するための産業振興計画が次のステージに入ることから、3年間の取り組みで見えてきた新たな課題や残された課題の解決に向け、より高いレベル、より広がりのある産業の振興を目指して挑戦する。また、南海地震対策では、県民の安全度が高まることを目指し、引き続き抜本強化する。
投資的経費のうち公共事業は、事業の厳格な選択と継続事業の見直し、公共工事のコスト縮減への取り組みを徹底する。一方、全国でも遅れたインフラ整備を加速するため、安全・安心な暮らしを支える命の道や産業振興など地域活力の向上を図る上で必要な基盤整備を集中的に行い、事業量の確保に努める。
ポイントは、5つの基本政策推進加速化枠に50億円を撤廃した上で、各部局の裁量的経費を拡大。投資的経費はゼロシーリングとし、PDCAサイクルを通じて徹底した見直しを実施する。南海地震対策では、東日本大震災の検証結果や新たに見地などを踏まえ抜本的な強化を行い、安全度が高まることを目指し、スピード感を持って対応する。また、県民の暮らしと雇用を支えるため、普通建設事業費の一般財源総額(地方債含む)を確保し、インフラ整備を推進する。国の経済対策により積み立てられた基金も最大限に活用する。
12年度予算要求の考え方は、地方税などの歳入予算見込枠2985億円(一般財源ベース)、11年度当初比0・6%減。一方、歳出予算要求枠3067億円(同)、11年度当初比0・5%増。歳入歳出差額82億円は、遊休財産処分、事務事業の見直しで10億円圧縮、残る72億円は財政調整的基金の取り崩しで対応する。南海地震対策の推進積み上げ、ポスト経済対策基金に係る経費は30億円。
予算編成の主なスケジュール予定は、11月16日に予算見積書提出期限、下旬に予算概要公表資料財政課提出期限、12月上旬に当初予算見積概要の公表を行い、1月下旬の知事査定を経て、2月中旬に当初予算案を発表する。