静岡県は、林道の開設36路線や改良29路線、65地区での治山などを実施すべき事業として盛り込んだ「伊豆地域森林計画書」の案をまとめた。伊豆半島の豊かな森林資源を持続的に保全・整備・活用するために必要な森林施業の基準などを示したもので、計画期間は2012〜21年度の10年間。対象となる伊豆地域の5市6町が今後策定する森林整備計画の指針ともなる。
森林計画書で示す基準は、▽森林の区域▽森林の整備・保全(の望ましい姿・考え方・数量)▽伐採・造林(標準的な方法の指針と計画数量)▽林道などの開設と林産物の搬出(の基本的な考えと計画数量)▽保安施設地区(保安林、治山事業の計画数量)―など。
対象とする森林は、下田市と東伊豆町、南伊豆町、河津町、松崎町、西伊豆町、熱海市、伊東市、伊豆の国市、函南町、伊豆市の11市町の延べ7万8982f。
森林資源の目標として、現在3万7868fある育成単層林(森を皆伐で伐採し、スギやヒノキからなる森林とする)を3万7612fに、4565fの育成複層林(林を択伐で伐採し、針葉樹を上木、広葉樹を下木とする森林に変える)を5275fに設定。
針葉樹を72万2000立方b(主伐25万2000立方b、間伐47万立方b)と、広葉樹を8万8000立方b(すべて主伐)伐採する。
これらを実現するため、開設または拡張すべき林道と、実施すべき治山事業を盛り込んだ。
林道事業では、祢宜畑倉見と土肥戸田の2路線・延長5`の森林基幹道と、加増野一条や青野八木山など34路線・延長49・6`を森林管理道として、それぞれ開設すべき路線に位置付ける。また、草木ケ沢や日向など29路線・延長94`の改良と、寝姿山や土肥中央など7路線・延長21・7`の舗装を行う。
治山事業では、▽蓮台寺地区など下田市内7地区での山腹工▽大川地区など東伊豆町内7地区の治山ダム工▽千石地区など南伊豆町内4地区での治山ダム工▽梨本地区など河津町内8地区での治山ダム工▽江奈地区など松崎町内5地区での治山ダム工▽宇久須地区など西伊豆町7地区での治山ダム工▽熱海地区など熱海市内2地区での山腹工▽玖須美元和田地区など伊東市内4地区での山腹工▽桑原地区など函南町内3地区での森林整備工▽土肥地区など伊豆市内11地区での治山ダム工▽田中山地区など伊豆の国市内7地区での治山ダム工―を進める計画。
(2011/11/4)
建通新聞社 静岡支社