建通新聞社(中部)
2011/11/01
【三重】志摩市 「保育所・幼稚園等再編計画」見直し 15年の開園目指す
志摩市は「保育所・幼稚園等再編計画」の見直しで、磯部地区について、下之郷保育所と磯部幼稚園を一体化した幼保施設を新たに整備し、2015年の開園に向けて事業を進める計画だ。計画の見直しでは、志摩、鵜方、磯部の3地区を対象にし、各地域の現状や保育ニーズなどに対応した幼保一体化の在り方を示している。
磯部地区では、当初の再編計画では、磯部幼稚園は当面の間、現状維持として、将来的に幼保一体化を検討することとしていたが、同地区の入所児童数が増加傾向にある背景を踏まえ、また、下之郷保育所(1981年建設)が 耐震診断で補強が必要とされたこと、磯部幼稚園(80年建設)が築後30年経過し、敷地面積が狭いため、同所での一体化による施設整備が困難であることから、計画を前倒しして、新たに幼保一体化施設を整備することにした。市では11年度に用地の選定を進めており、順調に進めば、12年度に用地取得、造成、13年度に基本・実施設計、14年度に建設事業というスケジュールを示した。
志摩地区では、11年度に幼保一体化事業として、志摩支所を改築して幼保施設を建設する工事を進めており、12年4月に開園する。当初計画では和具幼稚園も統合対象に入っていたが、当分の間は並行運用で継続運営することとした。
鵜方地区では、鵜方幼稚園を幼保一体化施設として改修を計画していたが、園児数の状況や敷地が狭あいであることから、引き続き単独幼稚園として運営することとした。
■大王、神明で統合計画の測量、調査進む
同市では、計画見直し対象の3地区以外の大王、阿児地区については、当初計画に沿った事業を推進している。このうち、大王地区では地区内の5施設を対象に統合新築するため、大王町波切の大王支所に隣接する波切ファミリー公園敷地内で新施設を建設する計画。11年度に地形測量を藤本測量設計事務所(志摩市)、地質調査を丸栄調査設計(松阪市)で実施しており、今後、造成設計、施設基本設計を予定している。
阿児地区のうち、神明保育所と神明幼稚園を対象にした統合新築計画では、阿児町神明の近鉄志摩線・神明駅前の国道167号付近で用地を確保し、11年度に地形測量を大和総合企画(志摩市)、地質調査をNTCコンサルタンツ三重営業所(伊勢市)で実施しており、今後、造成設計、施設基本設計を予定している。
また、鵜方保育所と鵜方第二保育所を対象に統合新築する計画があり、今後検討する。このほか、甲賀・志摩保育所と国府幼稚園については当初、統合により東海地区幼・保施設を計画していた。その後、民間事業者による保育所の進出計画が持ち上がっているため、民間事業の推移を見ながら検討することとしている。民間事業者の建設計画については、11月に地元説明会が行われる予定。