北海道建設新聞社
2011/10/26
【北海道】来春の新卒者採用予定、過去5年で最低−道中小企業団体中央会
北海道中小企業団体中央会が実施した2011年度道内中小企業の労働事情調査によると、来春卒業予定の新卒者を採用する意向が「ある」と答えた企業の割合は、前年度比1.14ポイント下落の7.69%にとどまり、過去5年間で最も低かった。「ない」とした企業は66.23%で、0.21ポイント上昇した。
従業員300人以下の1500社に対し、7月1日時点の状況を聞いた。過半数の832事業所から回答を得た。
11年度の新卒者採用動向を業種別に見ると、採用の意向が「ある」とする割合が最も高いのは卸売業で、唯一20%を超えた。建設業は7.44%で、総合工事業5.66%、職別工事業4.88%、設備工事業10.28%の内訳となっている。
「ない」とする割合は、窯業・土石や情報通信、運輸、小売、サービスの各業種で高く、いずれも70%を超えた。建設業は61.16%だった。
一方、経営状況に関する調査では、1年前に比べて経営状況が「良い」とする回答は、前年度比1.97ポイント減の5.5%にとどまった。逆に「悪い」とする回答が4.39ポイント増の53%だった。
経営上の課題を複数回答で尋ねたところ、全体の57.93%が「販売不振・受注の減少」、49.52%が「同業他社との競争激化」と回答。「原材料や仕入れ品の高騰」は33.9%で8.26ポイント伸びた。
同会では「資材や部品、商品の調達難を東日本大震災の影響と位置付ける企業が多く、原材料や仕入れ品の高騰を経営課題とする企業が大幅に増えた」と分析している。