建通新聞社四国
2011/10/25
【徳島】中山間地域へ配意 県の12年度当初予算方針
徳島県は、2012年度当初予算の編成方針を固めた。「政策評価対象事業(新規・継続)」、「その他の経費」に要する一般財源については、総額ベースで「対前年度6月補正後予算比」マイナス20億円を要求基準とした。公共事業、その他の一般補助事業は、投資的経費の徹底した平準化と重点化を図る観点から事業を厳選し極力、中山間地域への配意を行うことにしている。
東日本大震災の発生や「歴史的な円高水準」により県財政への影響も懸念されている中、11年度から13年度までの県財政状況を試算した「財政中期展望」では、収支不足を補うための「財政調整基金」が、13年度末にはマイナス24億円となる見通しで、3年間で約130億円の収支改善が必要と見込んでおり、「財政構造改革の取り組みを更に加速させ、この厳しい状況を回避しなければ今後、収支均衡のとれた予算編成が困難になることも懸念される」としている。また、11年7月に新たに策定した「財政構造改革基本方針」に基づき、歳入・歳出両面において更に踏み込んだ対策を実施し、「持続力ある財政基盤」の確立に取り組むことにしている。
具体的には、▽すべての事業でコストの低い代替手段を検討▽各種施策の展開にあたり「とくしま“トクトク”事業」を積極的に活用▽公共事業評価制度を積極的に活用し、継続事業の凍結・中止等の判断を速やかに実施。その財源を事業効果の早期発現可能な新規事業等に有効活用▽不要遊休財産の早期売却の徹底や庁舎内「空きスペース」の活用を推進―などを挙げている。
投資的経費のうち新規要求の選択については、別途審査を実施。公共事業等に関して国への要望の段階から、事業の選択と集中を図るシステムを活用し、十分な重点化を行う。単独事業では、県債発行を抑制する観点から緊急性、投資規模等を十分に検討し、厳しく事業の選択と進度調整を行う。このほか▽入札請差等の他への流用は原則認めない▽県単独公共事業の未契約繰越は認めない―などの方針が示されている。
各課からの要求書締め切りは11月11日。12月下旬からの財政課長査定、来年1月下旬ごろの知事査定を経て、2月中旬の予算案発表を目指す。