建通新聞社
2011/10/24
【大阪】大阪市 大阪城公園の魅力向上を民活で 公募プロポで検討調査委託
大阪市計画調整局は、大阪城公園(大阪市中央区)の魅力向上のために、民間活力を導入する考え。ハード、ソフトの両面から官民連携策を検討するため、調査業務の公募プロポーザルを実施。11月2日まで参加申請書の提出を受け付ける。企画提案書の提出は11月8〜18日。ヒアリングなどを経て11月28日に最優秀提案者を特定する。
業務名は「大阪城公園パークマネジメント事業及びもと市立博物館等の民間活用事業に関する調査業務」。
市は「大阪市経済成長戦略」で「集客・観光」を重点戦略分野とし、大阪のシンボルである「大阪城」の魅力向上に取り組む。現状では、公園内各施設の管理主体がそれぞれに異なることや財政的な制約から、国際観光拠点としてふさわしい管理運営がなされていない。ハード面では未利用施設や未利用エリアの有効活用、ソフト面では各施設が連携しながら一体的に管理運営する方式が必要。今回の調査では民間活力を最大限活用した官民連携事業の導入方策について検討する。
具体的には、戦争遺産として価値の高い近代建築物だが現在は活用されていない「もと市立博物館」と「旧砲兵工廠化学分析場」について民間の資金とアイデアで、賑わい施設として再生する仕組みなどを検討。コンセッション方式により民間に運営を任せる方式などが考えられる。納期は2012年3月16日まで。業務規模の上限は1,192万8,000円(税込み)。
早ければ12年度からもと市立博物館で民活を導入し、他の公園内事業を連鎖的に民活していきたい考えだ。
大阪城公園は、特別史跡を含む大型の歴史公園。公園面積は約105.6ha。特別史跡エリアには大手門、千貫櫓、火硝蔵など13棟の重要文化財がある。開園は1931年11月。運営は大阪市で、大阪城天守閣、西の丸庭園、大阪城音楽堂などの有料施設がある。
もと市立博物館(旧陸軍第四師団司令部)は1931年完成。60年に博物館として利用されたが2001年に閉館。規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ約7,000u。旧大阪砲兵工廠化学分析場は1919年完成。規模は2階建て延べ約2,900u。