北海道建設新聞社
2011/10/19
【北海道】札幌市がエレクトロニクスセンター改修へ−バイオ企業なども誘致
札幌市経済局は、札幌テクノパーク内にある市有施設の札幌市エレクトロニクスセンター(通称・エレセン)を改修し、従来までのIT企業だけでなく、食やバイオ関連企業の募集にも乗り出す。改修費は約2億円に上る見通し。2014年度までに入居率80%を目指す。
札幌テクノパークは、情報通信産業を新たな都市型先端技術産業に成長させることを目的に、市が全国に先駆け厚別区下野幌に整備した研究開発型企業団地。第1テクノパーク、第2テクノパークで構成し、第1には市内に本社を置くIT企業13社が集積、第2には道外企業など12社が立地している。
エレセンは第1テクノパークに位置。構造はSRC造、地下1地上3階、延べ7990m²で、1986年にオープンした。現在、2、3階の技術開発室を賃貸オフィスとしてIT企業に貸し出しており、入居率は約50%となっている。
同局では、札幌テクノパークを従来のIT企業に加えて、バイオや食関連を含めた研究開発拠点として再構築することを構想。薬品などの液体を使用するバイオや食関連企業の研究・開発にも耐えうるよう改修を施し、企業を募集する。
具体的には、企業が万が一、研究に使用する薬品などの液体をこぼした場合でも、すぐに水で洗い流せることができるよう技術開発室の居室の一部で床をウェットラボ仕様に改修するほか、吸排気設備を整備する。
改修時期や詳細は未定だが、同局では、賃貸している2階か3階どちらかの1フロアをウェットラボ仕様にすることを想定。改修費には約2億円を試算するが、国の補助金活用も模索している。
エレセン改修は、市が年内に策定する第3次新まちづくり計画にも盛り込んでおり、同局では14年度までの技術開発室への入居率を80%にまで上げる考えだ。
ことし1月に策定した「札幌市産業振興ビジョン」でも、食産業やバイオテクノロジーを生かした健康関連産業の振興などを盛り込んでいる。
同局では、「IT企業でもバイオ分野を手掛けているところがある。食やバイオ、ITが連携してますます産業を発展させたい」と話している。