建通新聞社(中部)
2011/10/14
【三重】津建設事務所 「所谷川」砂防など設計に着手
三重県津建設事務所は、台風12号で被災した「所谷川」の砂防えん堤や橋梁の所川橋の災害復旧を行うための予備設計、測量などに着手した。11月以降に予定される災害復旧の災害査定の協議のための設計図書を作成するもので、災害復旧としての工事規模は査定で決められる。業務委託は、所谷川砂防の予備設計が建設技術研究所三重事務所(津市)、測量が新榮企画(津市)。所川橋の詳細設計が新榮企画、地質調査を計測地質(津市)が担当。
所谷川は津市美杉町石名原地内で伊勢地川に接続する支川で、台風12号で流出した土砂が既設の砂防えん堤に堆積(たいせき)し、流域の護岸などが被災した。また下流部の国道368号の所川橋では、下部を残して桁部が流されるなどの被災を受けた。橋梁部については応急対応で鋼板を渡し、仮復旧により交通を確保している。
このため砂防施設については、既設えん堤の上流部に新たに砂防えん堤を設置し、河川護岸については決壊した個所、また護岸の未整備区間も含めて流路工を施す計画。橋梁については仮橋設置後に同じ場所で橋梁架設を行う計画。
今回の設計、調査では、所谷川砂防については、予備設計で、砂防調査・流域面積1・49平方`b、えん堤1基の予備・詳細設計。また、えん堰部から国道368号を越えて伊勢地川に達する延長600b区間を対象にした流路工の予備・詳細設計を行う。設計工期は170日間。測量業務は、基準点測量16カ所、路線測量800b、現地測量0・08平方`b。調査工期は80日間。
所川橋の詳細設計は、橋梁部の詳細設計。既存は橋長9・4b、幅員6・6b、1径間。また上流部に架ける仮橋の設計を行う。取り付け道路は、本線の両側10b(計20b)、仮橋用の仮設道路の両側20b(計40b)の設計を行う。設計工期は120日間。地質調査は、調査4カ所、ボーリング工24b、標準貫入試験16回など。調査工期は60日間。なお、同橋梁で流失されなかった下部工については、新たな桁架設に使用できるかどうかの調査・検討も行い、設計に反映させていく考えだ。