建通新聞社四国
2011/10/07
【高知】浦戸湾に可動式防波堤 四国地整12年度概算要求
国土交通省四国地方整備局は9月30日、2012年度予算概算要求概要を発表した。高知県関係直轄事業で、新規は高知港海岸直轄海岸保全施設整備事業がある。高知市の浦戸湾地区に可動式の津波防波堤を設置するほか、堤防改良などを行う計画。道路事業では12年度に暫定供用予定の四国横断自動車道中土佐IC〜窪川IC間などで工事を推進していく方針だ。
高知港海岸直轄海岸保全施設整備事業は、浦戸湾口に可動式の津波防波堤を設置したり既存堤防を改良することで、東南海・南海地震による津波浸水被害防止を図るもの。地震時には高さ10b以上の津波や2b程度の地盤沈降、老朽化した堤防の液状化による倒壊で、大規模な浸水被害が懸念されており対策が急務となっていた。12年度は調査設計に着手する予定だ。
新規事業採択時評価で示された主な事業諸元は、直轄事業が津波防波堤(可動式)170b、堤防(改良)4215b、陸閘(改良)8基、護岸(改良)810b。高知県事業が護岸(改良)8663b、胸壁(改良)3564b。事業期間は12年度から国が15年間(26年度まで)、県が20年間(31年度まで)。総事業費は639億円、そのうち直轄事業費は339億円となっている。
道路事業では、緊急輸送道路の整備推進として国道33号越知道路(2工区)、橘防災、国道32号板木野防災で事業の早期供用に向けて調査設計、用地買収などを推進する。幹線道路における交通事故対策として国道33号日下橋交差点改良へ向け用地など推進する。12年度暫定供用予定では、四国横断自動車道が中土佐IC〜窪川ICの延長14・8`、国道55号南国安芸道路が香南かがみIC〜香南やすIC2・9`、国道33号高知西バイパスが天神IC〜鎌田IC1・1`。
河川事業は、直轄河川改修事業の推進として四万十川不破個所で築堤工事、用地補償などを行う。同個所は堤防未整備地区のため、治水安全度向上や浸水被害解消へ07年度から事業着手、整備を進めている。