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建通新聞社(神奈川)
2011/10/05

【神奈川】神奈川県が総合特区申請

 神奈川県は、環境関連産業を集積し、地域経済の活性化を目指す「かながわグリーンイノベーション地域活性化総合特別区域」の指定申請書を国に提出した。県内全域を総合特区として見込むが、特に県央地域で産業集積のための特例措置の適用を想定している。メガソーラーなどの大規模発電施設の誘致、エネルギーベンチャー企業への投資の促進などを事業内容に盛り込んだ。年内の指定と推進方針の制定を目指す。
 地域活性化の目標として、創エネ、省エネ、蓄エネを総合的に進め、2020年までに効率的なエネルギー需給を実現するかながわスマートエネルギー構想の推進を掲げた。さらに、さがみ縦貫道路沿線などの地域でエネルギー・環境分野の関連産業を集積し、グリーンイノベーションを推進するとしている。
 2020年度に県内の電力消費量に対する創エネと省エネの割合を、蓄エネと組み合わせることで20%以上の水準に高める。このほか、14年度までにエネルギー・環境関連分野の「企業誘致」10件、「ベンチャー企業の製品化・商品化」10件、「技術連携」20件を実現する。
 太陽光発電の普及に当たっては、ソーラーバンク構想による住宅への太陽光パネル設置コストの低減、市民ファンドを新たに導入した「屋根貸し方式」による公共施設などへの設置、メガソーラーの誘致などに取り組む。また、企業誘致や産業適地創出の促進、エネルギー・環境関連ベンチャー企業に対する投資、県内企業のエネルギー・環境関連研究の開発などを進める方針。
 9月26日に開かれた県議会本会議で黒岩知事は、県央地域について「さがみ縦貫道路の整備が進み、交通の利便性がさらに高まり、産業集積地域として高いポテンシャルを持つ」とした上で、「今後、立地規制の緩和をはじめ、設備投資減税、研究開発に対する助成の拡充といった、総合特区制度によるさまざまな支援措置を活用し、産業集積を加速していく」と述べた。
 総合特別区域制度は、産業の国際競争力の強化と、地域の活性化に役立つ施策を総合的、集中的に推進し、経済社会の活力の向上を目指すもの。8月1日に施行した総合特別区域法に基づいて創設した。国は8月15日に「総合特別区域基本方針」を閣議決定。初年度の11年度は、今回県が提出した9月30日までの申請受け付け分が、同年末までの指定の対象になる。