建通新聞社(神奈川)
2011/10/05
【神奈川】神奈川県 最低制限価格率微増 落札率との差が縮まる
神奈川県は、2010年度に執行した公共工事(土木・建築)の平均落札率などの集計結果をまとめた。それによると、前年度と比べて平均落札率が下がり、平均最低制限価格率がわずかに上昇。全体的に、より最低制限価格に近い金額で落札されたことが分かった。今後、落札率の推移や入札実施状況などのデータの蓄積を進めるとともに、社会情勢などの変化を踏まえ、継続的に入札制度の見直しを実施していく方針。30日に開かれた県議会建設常任委員会で報告した。
条件付き一般競争入札で執行した1168件の工事の平均落札率は88・5%となり、前年度と比べて0・3ポイント下がった。土木が88・4%で0・3ポイント低下、建築が90・0%で0・6ポイント下がった。
平均最低制限価格率は土木が86・2%(前年度比0・1ポイント増)、建築が88・4%(同0・5ポイント増)でいずれも上昇した。全体では0・1ポイント上昇して86・3%となった。
その結果、平均落札率から平均最低制限価格率を差し引いて算出した値は、土木が2・2(09年度2・6)、建築が1・6(同2・7)。全体では、前年度よりも0・4ポイント縮まって2・2となった。
応札状況を見ると、平均応札者数は土木が11・5者(最高42者)、建築が9・3者(同32者)で、全体の平均は11・4者。前年度と比べ1・3者増えた。入札不成立の件数は42件で26件減少した。
工事系委託は10年度に874件の入札を執行。全体の平均落札率は84・2%で、前年度比1・7ポイント低下した。条件付き一般競争入札が83・3%で1・3ポイント低下、指名競争入札が86・7%で2・6ポイント下がった。
条件付き一般競争入札と指名競争入札を合わせた平均落札率と平均最低制限価格率との差は3・8となり、前年度と比べ1・5ポイント縮まった。平均応札者数は12・6者で1・5者多くなっている。入札不成立の件数は9件で1件減少した。
県は、06年4月1日から250万円を超える工事を原則一般競争入札とする「かながわ方式」を導入。工事系委託は09年4月1日から1000万円以上の案件に条件付き一般競争入札と最低制限価格制度を取り入れた。同年10月1日からは、条件付き一般競争入札の適用範囲を250万を超える案件にまで拡大。100万円を超えるすべての入札案件(指名競争入札含む)に最低制限価格を導入した。