建通新聞社(中部)
2011/10/03
【愛知】愛知県健康福祉部 薬草園の実施設計 東京ランドスケープ研究所で
愛知県健康福祉部は、大府市、東浦町にまたがる「あいち健康の森」公園の敷地内に「薬草園」の整備を計画しており、2011年度は実施設計を東京ランドスケープ研究所名古屋事務所(名古屋市名東区)に委託して進めている。委託期間は12年3月末までの予定。
今後の整備スケジュールは、12、13年度の2カ年で1期整備を、14年度単年で第2期整備の実施を予定している。
整備内容や施設配置などは設計の中で詰めていく部分が多く、詳細な内容は不明だが、12、13年度の第1期整備では、研修展示施設、ボランティア交流センターや薬草・薬木ゾーン、体験薬草農園などを整備する見込み。
研修展示施設、ボランティア交流センターは平屋で280平方b程度を予定しているが、構造については検討中。薬草・薬木ゾーン、体験薬草農園は1万5500平方b程度となる。このほかにも広場や駐車場も整備する予定だ。
薬草園全体の面積は約2万8250平方b。基本設計は、10年度に創建(名古屋市熱田区)が実施した。整備場所はあいち健康の森の北西部分で大府市森岡町と吉田町地内。
薬草園は1993年に基本構想が策定され、事業化への準備が進められたが、98年に県が財政非常事態宣言をした中で、大型事業が見直されることになり、凍結されていた。しかし神田真秋前愛知県知事の3期目(07〜10年)のマニフェストの中に薬草園の整備を検討することを盛り込んだことで、県は07年度に再検討を開始。08年度に基本構想の改定が実施された。
改定された基本構想によると、薬草園の理念と役割は、身近にある薬草と親しむことにより自然の有用性に気付き、自然環境に対する保全への関心を高める「自然との共生を学ぶ」、観察や体験、育てるなどの薬草とのかかわり方の中で見る・触る・かぐ・味わう・聞くの「五感を育(はぐく)む」、薬草に関する知識を学ぶなどの「教育施設としての役割」、身近な薬草の正しい利用法や植栽方法などを学び、その知識を深め、それぞれの生活の場で役立てて健康的な生活の提案を図るほか、健康な高齢者などが園内ガイドなど積極的に園の運営などにかかわることによる「生きがいづくり」、来園者が自然とのかかわりの中で癒される時間を過ごし、車いす対応、手すりや日影の休憩所の設置などの工夫で誰もが楽しめる「福祉施設としての役割」、薬草を介して友達づくりや世代を超えた人々が交流できる憩いの場を提供する「交流の場」としている。
薬草園の管理運営についても、学識経験者らで構成する運営懇談会で検討を進めている。