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北海道建設新聞社
2011/09/28

【北海道】石狩データセンターが10月末に完成−さくらインターネット 

 大手データセンター事業者のさくらインターネット(本社・大阪)が、石狩湾新港地域で進めている国内最大規模のデータセンターの1期工事が10月末で完了し、11月から企業や地方公共団体の情報を管理するサービスを始める。データセンターの誘致活動に力を入れている道や道内経済団体からは、完了を待ち望む声が聞かれ、道内への立地を検討する大手企業が増えることへの期待感が高まっている。
 さくらインターネットは2010年6月、石狩湾新港地域を管理する石狩開発から石狩市新港中央1丁目の約3万m²の土地を取得し、大型のデータセンターを8棟程度新設すると発表。1期工事では2棟に先行着手し、3月から大成建設で施工を進めていた。規模は2棟合わせて延べ1万1400m²。試運転と11月15日に予定する開所式を経て、サービスを開始する。
 施設内では、外気を活用した冷房システムを用い、運営上の課題である多額の電気代を自然エネルギーで賄う。同社所有のサーバーで企業などの情報を預かるホスティングサービスと、空きスペースをサーバー設置場所として企業などに貸し出すハウジングサービスを展開する。
 今回の立地の決め手は、本道特有の冷涼な外気を容易に活用できる点や、道や地元市による立地助成制度が充実していた点にあったとされる。東日本大震災発生以降、リスク分散の観点から企業の拠点を災害の少ない道内に移すべきとの議論が進み、データセンターについても、道内立地促進に向けた取り組みを強化しようとの機運が高まっている。
 データセンター誘致に力を入れる道経済部の幹部は、1期工事完了を前に「道内立地を模索する大手企業は今後間違いなく増える」とみている。道が8月末に東京都内で開いた首都圏企業向けのセミナーには、データセンターに関心を持つ通信系企業や大手ゼネコンなどから、当初予想を上回る150人が参加。道内を有力な候補地と位置付ける企業が、着実に増えているという感触を得た。
 道とともにデータセンター誘致を推進している北海道経済連合会の幹部は「さくらインターネットが呼び水となることを熱望している」と話す。冷涼な気候と広大な用地を擁する本道は「センターのポテンシャルを生かせる最高の地域」と強調する。
 さくらインターネットは、3棟目以降の着工時期について未定としているが、「需要次第では早い時期の開始もあり得る」と話す。道内では、NECが札幌市内でのデータセンター立地を進めているなど、他の企業の動向にも注目が集まっている。