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建通新聞社(神奈川)
2011/09/22

【神奈川】県内中小企業の資金調達 4割超が不十分

 神奈川県は、県内の中小企業者を対象に実施した資金調達に関する緊急調査の結果をまとめた。それによると、事業資金の調達状況は「十分」との答えが29・7%で、前年の調査結果と比べて5ポイント減少。「不十分」は43・6%で前年度とほぼ同じ割合だった。県の金融支援制度の認知度は、前年度に引き続き7割を超えたが、震災に対応した融資の認知度は、6割程度にとどまっている。
 現在の資金調達の状況を見ると、「十分」が10・3%、「どちらかと言えば十分」が19・4%で、両方を合わせると29・7%。一方、「不十分」「どちらかと言えば不十分」は、合わせて43・6%となり、2010年度の調査結果と比べると0・1ポイント増えた。
 県の中小企業制度融資について、「知らない」との答えは28・3%。認知度は10年度の調査と同様、7割を超え71・7%となった。県の中小企業制度融資を認知している企業のうち、震災に対応した融資の認知度は60・2%、「知らない」は39・8%だった。
 県の中小企業制度融資に対する要望は、複数回答で「金利の低減」が60・9%で最多。次いで、「保証料の負担の軽減」が41・4%となっている。
 東日本大震災による被害・影響については、「消費者の自粛行動」(43・3%)、「仕入れ先の操業停止・活動縮小」(20・9%)など、間接的な影響で売り上げが減少した企業が多い。「特に影響がない」との回答割合は27・9%だった。
 大震災前と比較した現在の業況水準は、「やや悪くなった」(38・8%)、「悪くなった」(27・5%)で全体の66・3%を占める。今後の業況の見通しは、「やや悪くなる」(35%)、「悪くなる」(21・5%)が56・5%で半数を超えた。
 今後の事業資金の調達意向は、「年内には必要」が26・9%、「来年3月までには必要」が8・3%。合わせて35・2%の企業が、年度内に資金調達が必要との意向を示している。
 太陽光などの自家発電設備の設置状況について聞いたところ、「すでに設置している」との回答はわずか3・1%だった。ただ、半数以上の企業が「公的な支援があれば検討したい」(50・1%)と答えている。
 県内の中小企業1300社にアンケート調査し、366社(28・2%)から回答を得た。調査期間は7月15日〜8月1日。