建通新聞社(中部)
2011/09/21
【三重】(仮称)「みえ県民力ビジョン」「行動計画」中間案
三重県は、県政の長期的(おおむね10年)な戦略計画として位置付ける(仮称)「みえ県民力ビジョン」の中間案と、ビジョンを実現するための(仮称)「みえ県民力ビジョン行動計画」の中間案を取りまとめた。2012年度から4年間を期間とした行動計画のうち建設関連では式年遷宮に向けての道路ネットワークの推進や公共事業推進支援などを盛り込んだ。今後、10月17日まで意見を求め、11月に最終案、12年2月に県議会に提案し、成案とする計画。
同ビジョンでは、12年度からおおむね10年を期間とし、基本理念として「県民力でめざす『幸福実現日本一』の三重」を掲げ、基本政策で政策の方向性を示した。さらに行動計画では、ビジョンを実現させるための施策、政策推進のための行政運営を盛り込み、施策ごとに、めざす姿、15年度末での到達目標、県民指標(中間案では未掲載)、現状と課題、取り組み方向を示した。
建設関連の施策と主な取り組みは次の通り。
◇防災対策の推進
新たに策定する「新地震対策行動計画(仮称)」および「三重風水害等対策アクションプログラム」に基づき、自然災害全般に対する総合的な防災対策を計画的に推進する、など
◇治山・治水・海岸保全対策の推進
河川、海岸の堤防整備で、緊急的に必要となるものに重点化、効率化を図り推進する。堤防や水門・排水機場などの補強や耐震化、避難に資する防潮扉の動力化などを図る、など
◇交通安全対策の推進
信号機の新設・改良、歩道や照明灯整備、交差点改良などの推進、など
◇廃棄物対策の推進
災害時の廃棄物処理体制の構築を一層促進する、など
◇水環境の保全
浄化槽、下水道、集落排水施設など生活排水処理施設の整備率を高める、など
◇東紀州地域の振興
高速道路ネットワークの整備促進、など
◇快適な住まいまちづくり
集約型都市構造の形成に向け、都市計画区域の見直しなど。都市交通の円滑化などのために、鉄道と道路との立体交差化、街路整備、電線類の地中化を進める。既存県営住宅の機能改善や長寿命化を図る、など
◇交通網の整備
リニア中央新幹線の早期全線整備、など
◇林業の振興
建設業など異業種の林業への参入促進、など
◇道路網・港湾の整備
式年遷宮に向けて、県内外との連携を深めるため、新名神高速道路、東海環状自動車道、紀勢自動車道、熊野尾鷲道路などの高規格幹線道路、北勢バイパス、中勢バイパスなどの道路ネットワークの形成を推進。県管理道路整備については、バイパスなどの抜本的な改良だけでなく、地域の実情に即し、早期に事業効果が発現できる局部的な改良など効果的・効率的な整備を推進する。無電柱化などの道路空間の質を高める取り組みを行う。大規模地震に対して、国道1号伊勢大橋などの老朽化架け替えや耐震補強対策を進める。四日市港では、港湾施設や臨港道路霞4号幹線の整備を促進する、など
◇水資源の確保
県営水道、工業用水道事業では、老朽劣化対策として施設更新を計画的、効率的に進める、など
◇行政運営・公共事業推進の支援
公共事業評価については、費用対効果だけでなく、地域の実情を加味した総合的な内容となるよう評価を実施し、適正に事業をする。CALS/ECについては、蓄積された事業情報の県民への提供や有効活用などに取り組むとともに、各種システムによる事業の効率化を進める。
入札契約制度については、公共工事の公正性・透明性・競争性の確保に引き続き取り組むとともに、総合評価の客観性、公平性を確保し、地域・社会に貢献している優良な企業が受注できるように、制度の改善と適切な運用に取り組む。また、災害時の緊急対応や地域雇用の確保などのため、技術力を持ち、地域に貢献できる建設業の育成に取り組む。