建通新聞社
2011/09/16
【大阪】国土交通省がLED道路照明灯にガイドライン 大阪府の取り組みに弾み
国土交通省は、発光ダイオード(LED)照明技術を道路・トンネル照明に適用する場合の基本条件や設計手法などを示す「LED道路・トンネル照明導入ガイドライン(案)」をまとめた。国が管理する一般国道や高速自動車国道の連続照明、交差点照明、横断歩道照明、トンネル照明などについて、それぞれに適した設計条件を明示している。大阪府は全国に先駆けて積極的に道路照明灯へのLED導入を進めており、国が有効性を示すガイドラインを示したことで、導入速度が進むことが期待される。
消費電力の少ないLED照明は、業務用や家庭用としての導入が急速に進んでいる。こうした状況を踏まえ国交省は、実証実験によって道路・トンネル照明に関連する規格・基準類の適合性や光学性能などを確認。その上で道路やトンネルでのLED照明導入を促進するため、ガイドライン案を策定した。
それによると、LED道路・トンネル照明は、各種道路条件の中で既存の高輝度放電(HID)ランプ照明と同等の照明性能を持つことを確認。ライフサイクルコストの試算でも、HIDランプよりLED照明が優位なケースが見られた。
大阪府は、LED道路照明灯が環境面に優れていると認識し、2009年度から府独自の製品認定制度を開始。認定した製品による道路照明LED化を実施している。前例や指針がなかっただけに手さぐりの取り組みだったが、国が一定の有効性を認めるガイドラインを示したことで、一層の拡大に弾みが付くと見られる。
府の道路照明灯は約2万3,000灯あり、消費電力210W(すべてナトリウム灯と仮定)すると、年間の消費電力量は2,110万kwh/年。990W(100VA)未満のLED灯具に変更すれば、年間の消費電力量は1,000万kwh/年に半減するとしている。
これまでに1,400灯をLED化したが、今後の拡大には財政負担の軽減が必要なため、リース方式の導入を検討している。