建通新聞社四国
2011/09/16
【高知】昭和・上田JVで基本設計 いの町新庁舎
いの町は、新庁舎建設の基本設計者を公募型プロポーザル方式で審査した結果、昭和・上田設計共同企業体(JV)に決定した。同JVの提案は、「千年和紙に育まれた百年庁舎」というコンセプトで、地震と水害の両方に強い百年庁舎の実現などが盛り込まれ、全ての項目で高い評価を得た。今後は、2011年度末までの予定で基本設計を進め、問題がなければ12年度上半期から同JVで実施設計を進める。工事は同年度下半期から着手する予定で、13年度中の完成を目指す。
基本設計は、6月に策定した基本構想に沿って進める。建設場所は、現本庁舎位置(敷地面積約4100平方b)となり、規模は、地方債査定基準による方式により職員数・議員数・想定人口から算定した延べ4700平方bに、防災資機材倉庫や防災備蓄倉庫などを加えた延べ約5200平方bを想定している。
施設計画では、まず災害対策拠点として機能するように必要な耐震強度を確保し、免震工法も検討、災害対策本部の開設スペース、自家発電設備、防災無線設備、防災備蓄倉庫、防災広場の確保にも努める。
建物計画では、町内産の木材など地場産品の活用に努め、周辺環境に配慮する。ユニバーサルデザインを導入し、建物の長寿命化、省エネルギーと新エネルギーの活用についても検討する。窓口は親しみやすく分かりやすい空間、執務スペースは情報化に対応した可変性が高く効率の良い空間、議場は住民の町政参加を促進するため、気軽に訪れることができる配置計画、空間計画とし、多目的利用についても検討する。
駐車場については、新庁舎と同一敷地内に可能な限り駐車スペースを確保し、現駐車場地には自走式立体駐車場の整備を検討する。
現在の庁舎は、1970年に建設され、鉄筋コンクリート造3階建て延べ2281平方b(1階は一部駐車場)の本庁舎と同造2階建て延べ332平方bの産業経済課、軽量鉄骨造2階建て延べ117平方b(1階は駐車場)の倉庫からなる。施設の老朽化に加え耐震性が十分でなく、また合併に伴う業務増加で手狭になっていることから、建て替えに向け検討を進めていた。