建通新聞社(神奈川)
2011/09/13
【神奈川】京浜港3港 2030年に取り扱い量倍増へ
横浜市と川崎市、東京都で構成する「京浜港連携協議会」は9日、京浜3港の総合計画を策定した。施設の充実と効率的な運営で国際競争力を高め、2030年のコンテナ貨物取扱量を08年比で最大2倍に増やす。今回の総合計画に基づき、横浜市などはそれぞれ13年度までに各港の港湾計画を策定する。
総合計画は、京浜港が国際競争力の強化に向け、一体となって港湾機能の充実や貨物集荷に取り組むため、向こう約20年間の基本的な施策をまとめたもの。
各港に散在する共同コンテナ置き場(バンプール)の再配置やコンテナ専用はしけ(コンテナバージ)輸送の強化、ターミナルコストの低減などで3港が連携。サービスを向上させるほか、既存のふ頭についても現状を見ながら増強や再配置を検討する。また3港のふ頭を一体的に経営し、運営を効率化する。
これらの施策により、約20年間で取扱貨物量を最大2倍に増やすことを計画。30年時点の各港の3港合わせた目標貨物量を1250〜1470TEU(08年時点が760TEU=コンテナ船の積載能力を示す単位で1TEUは20フィートコンテナ1個)に設定した。
計画の主な施策は次の通り。
■コンテナターミナルの整備
【横浜港】
▽ふ頭ごとのコンテナターミナルの一体運用▽上屋や倉庫の再配置の検討(大黒ふ頭、南本牧ふ頭)▽施設の機能転換などによる新たな空間の確保
【川崎港】
▽コンテナターミナルの充実(東扇島ふ頭)▽羽田空港との連携を考慮した土地利用の検討(浮島地区)▽オフドック(ふ頭から離れたコンテナヤード)機能の拡充(東扇島地区)
【東京港】
▽既存ふ頭の機能強化・再編(大井ふ頭、青海ふ頭)▽コンテナターミナルや背後の物流拠点整備(中央防波堤外側、新海面処分場コンテナターミナル)▽コンテナ関連用地の埋め立て(大井地区)
■既存ふ頭の施設配置
【完成自動車関連】
▽2隻同時着岸による積み替えに対応したバース延長確保の検討▽ヤード不足を解消するための立体駐車場整備▽機能強化や再編
【内貿ユニットロード貨物関連】
▽岸壁の増深、上屋の更新、耐震化など▽新規施設の整備と再編▽港湾道路南北線の整備