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建通新聞社
2011/09/12

【大阪】府営住宅指定管理者制度 モデル事業の収支が赤字に 人件費・修繕費が計画以上

 全国に先駆けて実施している大阪府の府営住宅の指定管理者制度で、モデル事業の指定管理者の収支が赤字となっていることが分かった。2日の府営住宅指定管理者評価委員会で評価項目のひとつとして説明されたもの。
 府は、2010年度から指定管理者制度をモデル実施しており、北河内エリアでの寝屋川、守口、門真市内(1万0,768戸)と大東朋来住宅ほか(1,455戸)はアーバンサービスグループが指定管理者。東大阪市内(5,802戸)は日本住宅管理が指定管理者。枚方、大東、四條畷、交野市内(1万2,227戸)は日本管財が指定管理者となっている。
 管理者評価は、11年度から管理者となった日本管財を除く、3地区で実施した(10年度分)。
 評価の目的は、指定管理者が実施すべき事業が、仕様書通りに適切・確実に実施されているかを確認することにある。四半期ごとの状況を個別評価し、C(改善すべき)からAA(優良)までの4段階で評価。各項目の評価を総合して総合評価する。
 この結果、「寝屋川、守口、門真市内」(アーバンサービスグループ)では、第1四半期が「評価B」、第2四半期が「評価A」、第3、第4四半期が「評価C」。大東朋来住宅ほか(アーバンサービスグループ)でも同様の評価。東大阪市内(日本住宅管理)は第1四半期が「評価B」、第2、第3四半期が「評価A」、第4四半期が「評価C」となった。
 「評価C」の要因は事業収支が赤字となり、「サービス安定性」で改善を要するとされたため。赤字の原因は人件費と修繕費が計画以上に掛かったため。3地区とも指定管理期間は14年度までで、今後これらの出費をどう抑えるかが評価を上げるカギとなる。
 府は12年度から全府営住宅に指定管理者制度を導入するため、新たに府営住宅約11万戸に関して、指定管理者の公募を実施中だ。