静岡県は、草薙総合運動場や富士山こどもの国など県営7都市公園の長寿命化計画の策定に乗り出す。壊れた場所を直すこれまでの対症療法的な維持修繕を、計画的な予防保全に転換し、ライフサイクルコストの縮減に取り組む。近く策定業務を委託し、2011年度末までに計画をまとめる考え。
長寿命化計画を策定するのは、▽愛鷹広域公園(沼津市足高)▽富士山こどもの国(富士市桑崎)▽草薙総合運動場(静岡市駿河区栗原)▽吉田公園(吉田町川尻)▽小笠山総合運動公園(袋井市愛野)▽遠州灘海浜公園(浜松市南区江之島町)▽浜名湖ガーデンパーク(浜松市西区村櫛町)―の7都市公園。
公園施設の維持管理はこれまで、国などの補助制度がなく、すべて各自治体が単独事業で実施している。都市公園の施設は今後、老朽化の進展が見込まれているが、過去に整備した多くの施設の管理や更新を限られた予算で続けていくことは困難な状況。
そこで、国土交通省が09年度、公園施設長寿命化計画を策定するための費用を補助するとともに、公園施設の維持管理経費も国庫補助の対象に加える「都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業」を創設。維持管理方針や改善方針などを盛り込んだ公園施設長寿命化計画を策定し、この計画に基づき適正に維持管理していくことを補助要件とした。また、公園施設の長寿命化を促すため、11年度中をめどに「長寿命化計画策定指針(案)」の作成を進めている。
こうした状況を踏まえ、県は、所管する県営7都市公園それぞれの長寿命化計画を策定することにした。
10年度に実施した公園施設(1510施設)の現地調査と健全度調査の結果を基に、まず、公園全体の在り方や個別の施設ごとの長寿命化の基本方針を検討。さらに、修繕や改築などの工法・時期、緊急度(優先順位)、消耗部材の交換計画、ライフサイクルコストなどを検討する。
その上で、日常的な維持管理や公園施設の長寿命化のための基本方針を定め、公園ごとに取り組む具体的な対策やその時期などを長寿命化計画としてまとめる。計画期間は10年間以上とし、樹木や芝生などは対象外とする。
(2011/9/9)
建通新聞社 静岡支社