建通新聞社(中部)
2011/09/07
【岐阜】農政部 2011年度から県内ため池の耐震診断に着手へ
岐阜県農政部は、県内の農業用などの「ため池の耐震診断」に2011年度から着手する計画だ。防災・減災を目的にこれまで目視を中心に診断を行ってきたが、耐震評価がなかったため、耐震性能に基づいた防災・減災対策を推進することにした。9月補正予算で事業費2億0200万円を要求することにしており、予算が認められれば、ため池の堤体・基礎地盤の地質調査やため池の危険度判定、ため池の決壊時の被害想定などの調査に着手していく。
さきの岐阜県震災対策検証委員会で、予防対策の観点から県内の「農業用ダム(農業用ため池等)」の総点検の提言を受けて本格的に取り組むもの。提言では県内すべての農業用ダム・堰堤を対象に、防災対策総点検を行うほか、液状化危険度と照らし合わせた事前・事後の点検も促しているが、今回は液状化マップ上に位置し、貯水量も多く大きな被害が想定される50カ所程度のため池について、調査をすることにしている。
各調査のうち、ため池の堤体・基礎地盤の地質調査などでは8400万円を要求、地震時における液状化などの危険度を示す基礎資料として活用、防災・減災対策の推進を図る。ため池の危険度判定では8050万円を要求、地質調査結果を基に地震時の地震時の堤体などの安定性を確認する。このほかため池の決壊時における被害想定では3750万円を要求、危険度の高いため池について被害想定を行い、防災マップ作成などの基礎資料とすることで地域住民の防災意識啓発を促進することにしている。