第2回長浜市民プール移転整備検討委員会が5日、市役所本庁で開かれ、第1回委員会で市事務局がたたき台として示した「50m屋外案」のほか、温水プールを求める意見をもとにした「25m温水案」、両案の折衷案となる非温水ながら屋根付きで4ヵ月使用を想定した「25m屋内案」の3案をもとに、建設費、維持管理費を比較し、意見を交わした。
豊公園内の現市民プールの老朽化に対応して、市は神照運動公園内に移転・整備を計画。レクリエーション広場北側の6107uをプール用地に、50mプール(7コース)、流水プール、幼児用プール、スライダーを設置した7、8月に開設する夏季限定でレジャー性の高い屋外プールを24〜25年に整備、26年度にオープンする市事務局素案を第1回委員会で提示した。県営の奥びわスポーツの森プールが23年度営業をもって閉鎖され、夏休み中の子ども用レジャープールが不足することから、レジャープールの整備を必要とし、遊泳面積を確保する考え方から50mプールの案を盛り込んだ。
また、市町合併後、人員削減や重複施設の整理など財政健全化を進めている途上のため、建設費を抑えるとともに、維持管理費においてもほとんどの事例で赤字となっている温水プールを建設しない方針。民間事業者への市内事業展開に関するヒアリングや維持管理経費と料金設定の相関関係など費用対効果の分析も実施し、屋外平水プールの案とした。
同案に対して、高齢者の健康増進に役立つなどの考え方から、年中使用できる温水プールを求める意見が出されたため、第2回委員会では新たに、1〜12月まで年間通して開設する25m温水案と、6〜9月の4ヵ月間開設を想定した25m屋内案を市事務局が提示し、各案の経費を比較した。
25m温水案は、流水プール、幼児用プール、スライダーなどを50m屋外案と同様に設置するほか、温水プールで一般的に併設されるジャグジープールを追加する。通年利用できることが大きなメリットで、外観上はプール屋根の設置が屋外との大きな相違。
25m屋内案は、50mプールを25mプールとし、開閉屋根を設置。流水プールを延長することでレジャー性を高め、遊泳面積を確保する。50m屋外案に比べて、天候に左右されず利用できることや供用期間を延長できること、25mプールによる小中学校授業への対応が可能となることなどが利点。一方、屋根設置のため建設費は高くなる。この案では、市事務局の説明によると、屋根をガラス張りにして太陽光を採り入れ建物を密閉することにより、年間155日間開設できる方法もある。
市が示した経費の比較によると、それぞれの案の経費は建設費、維持管理費(収支差額の年額)の順に、50m屋外案=8億3231万7000円、802万8000円▽25m温水案=13億1092万7000円、3128万8000円▽25m屋内案=9億5216万3000円、1130万円。
建設費では、水槽工事費は、50m8015万円に対して、25m2681万円と安価になるが、管理棟(プール屋根含む)工事費は、50m屋外案1億7600万円に対して、25m温水案6億0300万円、25m屋内案3億2600万円と大きな差が生じる。
維持管理費では、開設期間の長さなどにより、温水の人件費、電気料、燃料費は屋外、屋内に比べて高額となる。
協議では、温水プール支持の委員から、温水プール建設費を10億円までにおさえる▽高齢者福祉や教育の面からも検討する考え方の転換が必要▽25m屋外案の6月、9月の水温は高齢者に厳しい―などと、あくまでも温水プールを求める意見が出され、最終案はまとまらなかった。今後、10月上旬に第3回検討委員会を開催し、再度協議する予定。