愛知県警察本部は、警察本部庁舎本館棟の耐震改修を計画しており、2012年度の4、5月ごろには工事発注する見込みだ。11年度は、基本設計に引き続き日建設計名古屋オフィス(名古屋市中区)が担当して進めている。設計工期は12年3月19日までの予定だ。
既存の警察本部庁舎本館棟は、鉄骨鉄筋コンクリート造地下3階地上9階建てペントハウス2層付き延べ3万2606平方b。1970年7月に完成した建物。
計画では、地下1階部分に免震装置を取り付ける免震レトロフィット工法を用いる。これに併せて、老朽化が進んでいる給排水や空調などの設備の改修工事も進める。
同事業は、12年の9月県議会の承認を経た上で秋口の工事着手を目指している。工事完了は15年度末ごろが見込まれている。
県警本部本館棟は、愛知県警察の中枢であり、災害発生時の防災拠点としての役割も担っているが、耐震診断で耐震性能に問題があると判定されており、耐震化とともに老朽化に伴う設備改修を実施する。
愛知県警察は、不特定多数の人が利用する警察署などの施設を優先して耐震化を進めているが、警察官の待機宿舎などの施設を中心に耐震性能が確保されていない施設がある。
これらの施設をすべて建て替え耐震改修することは現実的に難しいため、施設の統廃合なども含めた見直しを内部で進めており、長期的な施設整備に関するマスタープランを作っていくものと見られる。