無電柱化事業を進める京都市は、愛宕街道(府道京都日吉美山線)で24年度に電線共同溝工事を予定する。渡月橋南詰(府道宇多野嵐山山田線他)、小川通(市道油小路通)でも23年度に新規着手、24年度に一部工事にとりかかる。
市建設局は、23年度から3ヵ所に新規着手。愛宕街道(府道京都日吉美山線)は、右京区嵯峨鳥居本六反町(嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区東端)〜嵯峨鳥居本仙翁町(化野念仏寺前)の250mを対象に、23年度に電線共同溝の詳細設計に着手。24年度の電線共同溝の本体工事に備える。
渡月橋南詰(府道宇多野嵐山山田線他)では、西京区嵐山中尾下町の70mが対象。23年度の電線共同溝の予備設計を経て、24年度に電線共同溝の詳細設計と本体工事を実施する予定。
小川通(市道油小路通)では、上京区禅昌院町(上御霊前通)〜宝鏡院東町(寺之内通)の250mを対象に、23年度は電線共同溝の予備設計を実施。事業期間は27年度までの5ヵ年で、24年度以降、電線共同溝の詳細設計、本体工事、周辺関連工事等を予定する。
このほか、21年度に事業着手した銀閣寺道(府道銀閣寺宇多野線)は、23年度に橋梁部分の手法検討調査を実施、24年度以降、電線共同溝の本体工事を実施するとともに、橋梁部分の詳細設計を進める考え。事業区間は左京区浄土寺東田町(白川通交差点)〜銀閣寺町(銀閣寺門前)。事業期間は27年度。道路延長は550m、電線共同溝延長は900m。上七軒通(市道翔鸞緯7号線)では、上京区毘沙門町(上七軒交差点)〜社家長屋町(北野天満宮東門)の510mを対象に、20年度から事業を進めており、23年度に石畳アスファルト舗装及び照明灯等工事(舗装美装化延長510m)を実施し、24年度に周辺関連工事等を行い完了させる。
河原町通(府道下鴨京都停車場線)は中京区下丸屋町(御池通)〜恵比寿町(三条通)の200mが対象。21年度に事業着手しており、23年度に電線共同溝の本体工事を実施、事業完了を目指す。
上賀茂伝建地区
無電柱化10月完成へ 一方、上賀茂伝統的建造物群保存地区内の一般府道上賀茂山端線で18年度から進められてきた無電柱化事業が近く完成する。
京都市は、都市景観の向上、災害防止、安全で快適な歩行空間の確保等を目的に、電柱の代わりとなる電線共同溝を地下に埋設するなどの無電柱化事業を進めており、23年4月に産寧坂伝統的建造物群保存地区内の八坂通(東山区)で無電柱化が完成している。
今回は世界遺産の上賀茂神社(賀茂別雷神社)の神官の屋敷町として栄え現在も明神川沿いに歴史的風致を維持する上賀茂伝統的建造物群保存地区内の府道上賀茂山端線の東西約380mで進めてきた無電柱化事業が完成する。
市は18年度に事業着手。電線共同溝新設工事や道路の舗装復旧工事(カラー舗装)を実施し21年度に完了。その後、22年度から23年度は電線管理者(関西電力、NTT等)が電線の入線・切替工事を進めてきた。今後10月5日から7日にかけて電柱の撤去工事を実施する予定で、10月11日に無電柱化事業が完了する運びとなった。上賀茂伝建地区は京都でも有数の景観地区であり、事業完成でより一層の景観保全効果が期待される。