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北海道建設新聞社
2011/09/05

【北海道】北大から2件採択−NEDOの先導的産業技術創出事業 

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、若手研究者が取り組む産業応用を意図した研究開発に対し、先導的産業技術創出事業(若手研究グラント)として48件を採択した。道内からは、北大が取り組む燃料電池向け触媒、紙ベース表示デバイスの研究など2件の研究開発が選ばれている。
 産業技術力の強化を目的に大学や研究機関などの若手研究者(個人、集団)が取り組む産業応用を意図した研究開発を補助する事業。日本の将来の産業技術力を支える革新的な産業技術シーズの創出、それを担う人材の育成を図る。
 2011年度は拠点連携研究と課題解決研究の2区分で助成。これまで取り組んできた研究成果が実用化・事業化に移される可能性を持つ研究や、研究の深化により、具体的な産業技術ニーズの解決につながる実用化・事業化の可能性を持った目的指向型基礎研究、応用研究などが採択対象となる。
 北大からは、触媒化学研究センターの清水研一准教授が取り組んでいる「卑金属ナノクラスター触媒を用いたファインケミカル合成技術および非白金系燃料電池の開発」と、大学院工学研究院の田島健次准教授の「遺伝子工学およびバイオプロセス工学の応用による微細化バクテリアセルロースの大量生産と微細ネットワーク構造を利用した新規表示デバイスの開発」が選ばれた。
 清水准教授は、アルコールを使用する段階での多種少量のファインケミカル合成や、アルコールを燃料とするアルカリ型燃料電池用電極反応を効率良く促す低コストのNi(ニッケル)系触媒を開発する。
 田島准教授の研究は、バクテリアセルロースを微細化して、シート状にしたものに電解質、エレクトロクロミックを含浸させ、紙ベースの表示デバイスを構築させるもの。遺伝子工学とバイオプロセス工学の応用で、バイオマスから効率的・直接的に微細化したバクテリアセルロースを大量生産する。そして電解質・エレクトロクロミックと複合化し、セグメント・カラー表示が可能な改良型表示デバイスとする。