建通新聞社
2011/09/02
【大阪】大阪府立成人病センターの大手前移転が決定 橋下知事が決断 9月議会で補正 PFI実施へ
凍結状態だった大阪府立成人病センターの大手前地区への移転計画が動き出す。大阪府の橋下徹知事は、現地改築と移転改築を比較検討した結果、移転改築が妥当との結論を出し、9月府議会に関係予算案を補正計上する。府立病院機構は予算が確定すれば、10月にもPFI事業の実施方針を公示する見通し。大阪府警察本部との合築による大型立体駐車場計画も設計などが始まる。
計画では、現在の府庁舎がある大手前地区(大阪市中央区大手前)のうち、別館東側の敷地約1万2,832uに府立成人病センター(大阪市東成区)を移転改築する。新病院は、地下2階地上13階建て延べ約6万5,000u・500床を想定。整備費は約340億円(医療機器50億円を含む)を見込む。建築設備設計業務を大阪山田守建築事務所(大阪市天王寺区)が、病院コンサルテントをシステム環境研究所(大阪事務所・吹田市)が担当した。
整備手法はPFI(BTO15年)を予定。早ければ、2011年度内に公告・事業者選定する予定。13年度末着工、17年春の開院を目指す。
立体駐車場は、現在の新分館跡地(敷地面積4,748u)に建設予定。建物の概要は、自走式6層7階建てで延べ約1万2,600u 。府警用240台、病院200台、合計440台を収容する計画。11年度から基本・実施設計などに着手。12年度に文化財調査を行い、13〜14年度で建設する計画。
府はこれらの関係予算を11年度当初予算案として上程したが、2月府議会では「患者の視点に立っていない」として、大阪維新の会以外の会派が反対し、予算化されなかった。橋下知事は、「府立成人病センター建て替えの検証に関する専門家会議」を設置し、現地改築と移転改築を比較。この結果、「時間と、でき上がる建物の質(設計の自由度)」で移転改築に優位性があるとの意見が出されたため、知事として移転改築を決断した。