北海道建設新聞社
2011/09/02
【北海道】士別市が廃棄物最終処分場の造成候補地を年度末めどに絞り込み
士別市は、次期の一般廃棄物最終処分場となる仮称・環境センターの整備について、2011年度末をめどに造成候補地を1カ所に絞り込む方針だ。2日開会の第3回定例市議会に用地選定の業務委託費を補正計上し、承認されれば建設地の選定作業に着手する。次期処分場は15年度の完成を目指し、総事業費に29億円を試算する。
士別市西士別町学田にある既存最終処分場の使用期限を見据え計画する。11年度中にまとめる一般廃棄物処理基本計画や循環型社会形成推進地域計画の中で、廃棄物処理やリサイクルに関する今後の在り方を示すとともに、同センター整備を盛り込む予定だ。
センターの核となる最終処分施設は、年間埋め立て量約5500d、15年間の使用を想定する。このほか汚水処理施設やマテリアルリサイクル施設、ストックヤード、市民に対し環境教育が可能な設備や機能を持たせた管理棟を新設する計画。生ごみやバイオマス系廃棄物は11年度に建設する堆肥化施設で受け入れ、残る廃棄物は引き続きリサイクルやリユースに向け分別徹底を推し進めることで、埋め立て量を最小限に抑える方向で検討を進めている。
造成候補地の選定は3定議会に業務委託費120万円を計上。予算が可決されれば、廃棄物処理の専門コンサルタントに選定業務を外注する。
選定作業では市が想定する3カ所の候補地について処分場造成や法の適合性など立地に関する諸条件を確認した上で、11年度末をめどに候補地を1カ所に絞り込み、住民説明のたたき台となる整備計画素案の立案に向け基礎資料とする考え。
財源措置の前提となる国の事業認可に向けては、条件クリアなど乗り越えるハードルはあるが、12年度に基本設計、13年度の実施設計を経て、14―15年度で造成工事を進めるスケジュールを描いている。
既存の士別市廃棄物最終処分場は1983年に供用を開始。総面積27万m²、埋め立て面積5万3000m²、容量31万1300m³で、当初13年間の使用を想定していたが、排出抑制や分別徹底で延命を図り28年間使用を続けている。
11年6月末の埋め立て可能容量は約4万2000m³。15年度までは利用可能な見通しだが限界が迫り、新たな処分場整備が不可欠な状況にある。