商業施設専門ディベロッパーのイオンモール(千葉県千葉市、岡崎双一社長)は25日、開業予定を延期していたイオンモール常滑(仮称)について、常滑市議会に現在の状況と今後の方針を説明、14年春の開業を目指す考えを明らかにした。2011年度中に店舗の検討を進め、12年に基本設計と実施設計、13年に建設工事を進める。
同施設の建設予定地は、愛知県企業庁が所有するりんくう常滑駅北街区とその周辺(中部臨空都市)で、敷地面積20万1759平方b。店舗は、これまでイオンモールが展開してきた「2核1モール型ショッピングモール」(2つの中核店舗を専門店街で結ぶ形式)ではなく、レジャーや非日常的な遊びの要素を配した「非日常多角モール型店舗」を検討。イオンを軸に、遊びゾーン(りんくうビーチを念頭に置いたバーベキューハウスなど)、もの探しゾーン(家具のアウトレットなどやホームセンターや大型家電販売など)、休息の森ゾーン(ペットショップやドックラン、温浴施設やリラクゼーション空間)などの配置を考えている。すでにテナントの誘致や地元商業者とのビジネスマッチングなどを開始しており、12年度までに具体的な出店計画を決定する見通し。
当初の出店計画は、05年度のりんくう常滑駅北街区事業提案公募にイオンが応募し、県が事業者に選定たことでスタート。07年度に基本協定を結ぶとともに同年度末にイオンモールに地位継承した。その後、イオンモールは開業時期を09年秋、その後11年度と設定していたものの、リーマンショックなどによる消費不況の中で出店計画が延期されていた。
常滑市は、今回の説明を受けて、空港対岸部企業立地促進条例の改正案を9月定例議会に上程する予定。同条例では、奨励金などを交付する優遇制度の条件を「土地借用後3年以内に事業所を新設し、操業開始すること」としており、この「3年以内」の条件を削除し、イオンモールの出店を後押しする。