建通新聞社(中部)
2011/08/30
【三重】三重県消防救急デジタル無線整備(共通波)実施設計 着手
三重県防災危機管理部は、「三重県消防救急デジタル無線整備(共通波)実施設計」に着手した。電波法の改正に伴い現行のアナログ方式からデジタル方式へ移行するため市町からの要請に基づき、デジタル整備の設計を受託して行う。2016年5月にまでにデジタル方式に移行するため、デジタル無線用の設備とともに基地局の整備で既設施設の整備と3カ所で新局舎の建設が盛り込まれている。設計担当はビーム計画設計(大垣市)が担当。設計工期は12年3月28日まで。12年度から段階的に整備を進める考えだ。
県では、消防救急無線について、災害時や緊急の際に広域に対応できる全県に渡る広域の消防体制の構築を進めており、デジタル無線による広域のネットワーク化も一つの施策として位置付けている。
デジタル化無線整備に向けて、10年度までに基本設計をまとめており、計画では、260MHz帯デジタル方式の「共通波」を構築する。共通波は県、市町を結ぶ広域・共有化のためのネットワークで、市町内で使用される「活動波」への対応は今後検討していく。デジタル無線のイメージは、県消防本部から、県庁舎、基地局、そして、県庁舎から現行の県防災行政無線中継局を利用し、そこから各市町の消防本部、消防署などと接続する。
設計では、無線システムを構成する機器、電源設備、基地局局舎、付属施設などについての調査・設計を行う。整備については、各市町の消防本部、消防署などへの無線機器の設置や基地局の建設にあたり、コスト縮減の観点から可能な限り既設施設を利用していく。
建設関係では、基地局に必要な設備、装置の設置、新設の基地局舎建設を行うための立ち木調査、測量、既設施設に必要な空中線を取り付けるため、事前の耐震診断を行うなど、基本設計に示された各種工事の具体化を図る。
各工事予定は次の通り。
▽新局舎(測量)―高鉢山(松阪市飯高町・松阪地区広域消防組合)立ち木調査も含む、始神高(大台町栗谷・紀勢地区広域消防組合)、神前浦中継所(南伊勢町神前浦・〃)
▽既設建屋改造(市町関係)―桑名市消防本部(桑名市)、菰野町消防本部(菰野町)、四日市消防本部(四日市市)、四日市中消防署中央分署(〃)、鈴鹿市消防本部(鈴鹿市)、亀山市消防本部(亀山市)、津市消防本部(津市)、美杉中継所(〃)、伊賀市消防本部(伊賀市)、名張市消防本部(名張市)、松阪地区広域消防組合消防本部(松阪市)、飯高分署(〃)、伊勢市消防本部(伊勢市)、鳥羽市消防本部(鳥羽市)、志摩広域消防組合消防本部(志摩市)、紀勢地区広域消防組合消防本部(大台町)、浅間中継所(大紀町)、三重紀北消防組合消防本部(尾鷲市)、熊野市消防本部(熊野市)
▽耐震診断― 野登中継所・鉄筋コンクリート造2階建て延べ341平方b(亀山市)、多度中継所・鉄筋コンクリート造2階建て延べ453平方b(桑名市)