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北海道建設新聞社
2011/08/31

【北海道】道内経済、震災の影響は限定的−北洋銀が成長率見通しを修正 

 北洋銀行は30日、2011年度道内経済見通しを発表した。東日本大震災の影響などを考慮し、実質成長率を10年12月の前回予測から0.1ポイント引き下げ、マイナス0.9%に下方修正した。先日、改訂見通しを発表した北海道銀行や北海道未来総合研究所に比べると小幅な修正。道内の場合、震災の影響は極めて限定的との見方を示している。
 実体経済に近い名目成長率は、0.2ポイント低下のマイナス1.3%に変えた。名目成長率のマイナス成長は11年連続。これにより、名目の道内総支出は17兆6621億円に縮小する計算で、ピーク時に比べて約3兆円分のマーケットが消失したことになる。
 11年度の見通しを支出側から見ると、民間最終消費支出(個人消費)は、消費マインドは徐々に改善しているものの、不要不急の消費を抑える動きは続き、雇用・所得環境にも厳しさが残っていることから、実質、名目ともマイナス成長とした。
 住宅投資については、エコポイント制度終了の一方で低金利や地価下落が続き、持ち家や立地条件の良い分譲住宅の売れ行きが好調に推移していると判断。実質、名目ともにプラス成長を見込んだ。新設住宅着工戸数は、10年度を約2000戸上回る3万1000戸程度とみている。
 設備投資と公共投資は実質、名目ともにマイナス成長を見込んだ。設備投資はエネルギー、運輸関連の新規投資や、札幌都心部でのオフィスビル建設の動きが散見されるものの、鉄鋼関連の大型設備投資がピークを過ぎ、多くの企業はいまだ慎重施設であることからマイナス成長を見込んだ。
 公共投資については、11年度公共工事関連予算の削減、北海道開発予算の5%執行留保などをマイナス要因に挙げている。
 調査業務を担当している北海道二十一世紀総合研究所では、実質、名目ともに小幅な下方修正にとどめた理由について、「道内への震災の影響は限定的で、観光関連以外への影響はそう大きくはないと判断したため」と話している。