浜松市が計画しているリハビリテーション病院(中区和合町)建設事業のスケジュールやプロジェクトの概要が分かった。総事業費57億円を超える大型事業となる見込みで、順調なら11月から本体の実施設計に着手する。一方、2011年度内には造成工事を発注する方針だ。本体工事は12年9月の着工、13年12月の完成を目指す。
浜松市リハビリテーション病院は、築後40年以上が経過して耐震性能や医療機能面の不足が著しく、現在の医療ニーズを十分に満たしていない。このため、既存病棟の一部を除いて建て替える。既存の病院機能を損なうことなく建て替えを進める「居ながら工事」を予定していることから今後は、作業工程などの詳細を詰める。
概算事業費は約57億4700万円で、内訳は整備工事費が47億7000万円、設計委託費が1億5800万円、造成工事費が7900万円、工事監理委託費が4000万円、このほか医療用器械備品などが7億円。現在の病床数は一般病棟136床、療養病棟36床の合計180床で、再整備に合わせ45床増床する。
01年に建設した機能訓練棟以外の建物を除却した跡地に新たな病棟(4階建て)と中央診療棟(2階建て)を建設、延べ床面積は約1万5300平方b程度を見込んでいる。整備に当たり▽市民が安心してかかることのできる病院▽利用しやすく地域に開かれた病院▽自然環境を生かし緑に利囲まれた療養環境▽医療制度改革やニーズへの柔軟な対応―の4点を基本理念として掲げ、ハード面では、将来の増築や改修が容易にできるよう構造を工夫する。このため病棟西側の3階部分を将来の増築スペースとして位置付けるほか、中央診療棟の西側や訓練機能棟の南側にも増築スペースを設ける。さらに、既存病棟がある場所にはリハビリ公園を整備、道路からのアプローチのほかバリアフリーやユニバーサルデザインなどにも配慮する。
25日に開かれた市議会厚生保健委員会では、自然エネルギー活用の視点から太陽光パネルの設置を検討すべきといった意見も出た。
今後、造成工事を年度内に発注するほか、11月からは本体の実施設計に入る予定。現在、公共建築課で発注に向けた準備を進めている。本体設計は12年3月までに完了、同年9月から建設工事に着手する。
所在地は中区和合町1327ノ1で敷地面積は約6万平方b。
設計は地質調査と造成・測量設計を不二総合コンサルタント(浜松市北区)、建築基本設計を横河・公共設計JVがそれぞれ担当した。
(2011/8/31)
建通新聞社 静岡支社