建通新聞社(神奈川)
2011/08/30
【神奈川】県内公立小中学校耐震化率 97%
2011年4月1日時点の神奈川県内の公立小中学校の耐震化率は、前年度比1・6ポイント増の97・7%で、静岡県の98・2%に次いで全国で2番目に高い値だった。文部科学省の調べで分かった。神奈川県内では相模原市や藤沢市など12市11町1村が耐震化率100%。残る9市町も90%を超える耐震化率となっている。
全国の公立小中学校の耐震化率は80・3%で、耐震性のない建物の数は2万2911棟となっている。耐震化率の伸びは2年連続で過去最高の前年度比7ポイント増となったが、耐震化率が50%に満たない市区町村も全体の6%に当たる99団体に上った。北海道が25市町村で最も多く、大阪府の10市町、福岡県の9市町などと続く。東日本大震災で被害が大きかった岩手県、宮城県、福島県の3県は調査対象外。
神奈川県内では、100%が▽相模原市▽藤沢市▽小田原市▽茅ケ崎市▽逗子市▽三浦市▽厚木市▽大和市▽伊勢原市▽海老名市▽南足柄市▽綾瀬市▽寒川町▽大磯町▽二宮町▽中井町▽大井町▽松田町▽山北町▽開成町▽箱根町▽真鶴町▽湯河原町▽清川村―の24市町村。川崎市が98・7%、横須賀市が98・5%、横浜市が96・2%、愛川町が94・6%、平塚市と鎌倉市が94・4%、座間市が93・9%秦野市と葉山町が91・7%だった。
11年度当初予算と11年度第1次補正予算が執行されると、耐震化率は約86%まで伸びる見通しだという。耐震診断の実施率は98・8%で、0・8ポイント増加した。
文科省は、東日本大震災後の5月に公立小中学校の耐震化を前倒しで実施し、2015年度末までに完了させる目標を打ち出している。
〜非構造部材の耐震化は45・4%〜
東日本大震災の発生後に追加調査を行った非構造部材については、5月1日時点で▽天井材▽照明器具▽窓ガラス▽外装材▽内装材▽設備機器▽家具―の7項目で耐震化の実施状況を調べた。このうち、全項目で耐震点検を行った小中学校は65・3%、耐震対策を実施した学校は45・4%あった。耐震対策を実施していない学校は1万0311校に及んでいる。
非構造部材については、有識者会議の「東日本大震災の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」が行った緊急提言でも、耐震化の必要性を指摘。ただ、非構造部材の耐震化に対する国庫補助は、耐震補強や改築工事と比べて補助率が低いため、文科省は第3次補正予算や12年度の概算要求などで対策を講じる考えだ。