北海道建設新聞社
2011/08/30
【北海道】下請けの低労務費が増加−道が元請に改善求める
道建設部は、2010年度に実施した同部発注工事での下請け状況などの調査結果をまとめた。見積もり時の労務単価が公共工事の設計労務単価を10%以上下回り、単価設定の改善を求めたのは、各建管発注の工事で13件、建築局発注工事でも8件に上った。下請けが法定保険に未加入だったケースは建管工事で17件、建築局工事で4件あり、元請けを指導している。
建設部は、下請け状況調査の臨場性を高めるため、08年度までの完成工事に対し行う調査票による調査方法を改め、09年度からは施工中の現場で元下双方に面接する聞き取り方式に切り替えた。
10年度の調査対象は、各建管発注の142件と、建築局発注の37件。09年度調査に比べ建管工事は2件減で、建築局工事は8件増。これらのうち建管、建築局とも各3件が低価格受注で重点監督の対象となった工事。
主な指導・要請事項を見ると、見積もり時の労務単価が公共工事の設計労務単価を10%以上下回っていたのは、建管で13件、建築局で8件の計21件。調査項目に初めて入れた09年度は、建管のみの2件にとどまっていたが、今回は大幅に増えた。
下請けの法定保険については、加入対象にも関わらず未加入だったのが、建管で17件、建築局で4件の計21件あった。09年度は建管のみ25件だった。
建管の工事ではこのほか、2次下請けとの契約で1次下請けに対し改善事項があったものが5件、下請け代金の手形期間が90日を超えていたものが1件指導事項となった。
建築局の工事では、「工事請負契約書か基本契約書を取り交わしていない」が3件、「契約書が建設工事標準下請契約約款またはこれに準拠していない」が8件、「契約書で定めている条項が建設業法19条1項の規定を満たしていない」が13件と、09年度と同様、契約書の不備が多い。