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建設経済新聞社
2011/08/29

【京都】小中耐震化23年度は150棟予定 府立学校は26棟で実施中

 京都府教育庁は24日、文部科学省が行った公立学校施設の耐震改修状況調査の京都府分を明らかにした。
 府内公立学校の非木造施設の耐震診断実施率は、耐力度調査の上、改築を行う施設(幼稚園1、小学校1)を除き、全ての校種でほぼ完了。耐震診断実施率は幼稚園98・3%、小中99・9%、高校100・0%、特別支援学校100・0%となっている。

府内公立学校の耐震化率
幼71・3%、小中86・1%
高66・8%、特別支援99・4%

 耐震化率は、小中学校では過去5年間で最大の伸び率となった。幼稚園は71・3%(9・7ポイント増)、小中学校は86・1%(6・7ポイント増)、高校は66・8%(1・9ポイント増)、特別支援校は99・4%(0・6ポイント増)。
 耐震化率100%を達成している設置者は22年の2から7に増加。小中学校の10年間の耐震化率の伸び率は、45・2ポイントで全国6位。14年度の40・9%から23年度には86・1%まで耐震化を進めた。
 京都府内の各市町(組合)では、学校耐震化に向けた取り組みが進められており、23年度は小中学校の150棟で工事を予定。完了すれば耐震化率は90%を超える。
 府立学校は特別支援学校を優先して耐震化を進めた結果、耐震化率は100%を達成した。このほかIs値0・3未満の施設を急を要する施設と位置づけ重点的に工事を進めている。23年度は26棟で工事実施中。完了すれば耐震化率は80%超となる。
 非木造施設の公立小中学校において、設置者別の耐震診断実施率は南丹市の96・4%を除き、京都市など24の市町及び組合は100%を達成した。
 耐震化率は、100%を達成したのが19年度末完了の井手町、20年度末完了の宇治田原町と対象棟数の比較的少ない設置者が続き、その後、綾部市・舞鶴市・京丹波町・八幡市・相楽東部広域連合が22年度末に完了。90%以上は与謝野町の95・0%、京都市の93・8%、精華町の92・5%。70%以上は宮津市の74・4%、南丹市の71・7%、亀岡市の89・3%、大山崎町の80・0%、宇治市の72・1%、京田辺市の86・7%、木津川市の85・7%。50%以上は京丹後市の68・8%、与謝野町宮津市中学校組合の66・7%、福知山市の63・9%、向日市の56・8%、長岡京市の54・5%、久御山町の57・1%、城陽市の60・0%。50%未満は伊根町の33・3%。
 公立小中学校施設の全棟数(調査対象数)2735棟のうち、新耐震基準以降は960棟、新耐震基準以前は1775棟。新耐震基準以前の1775棟のうち、1774棟で耐震診断を実施、1棟は未実施。耐震診断を実施した1774棟のうち、耐震性のある棟及び補強を終えた棟は1394棟で、耐震性のない棟は380棟。このうちIs値0・3未満相当は74棟。
 文部科学省は、地震防災対策特別措置法の国庫補助の嵩上げ措置を27年度末までに延長したことに加え、27年度までの5年間のできるだけ早期に公立の学校施設の耐震化を完了させるという目標を明確化。東日本大震災を踏まえ、学校耐震化への取り組みを予定より前倒しで実施する動きも考慮し、学校施設の耐震化に向け、非構造部材の耐震対策を含め、各地方公共団体に対し更なる取り組みを促すとともに、必要な予算の確保に努める構え。