文部科学省が公表した公立学校施設の2011年度の耐震改修状況調査結果で、静岡県内の耐震化率は全国トップの98・2%となった。ただ、伊東市や焼津市など4市町の耐震改修率が80%台にとどまっているほか、伊東市と伊豆市に耐震診断未実施の建物があり、早期の100%達成に向けた対応が求められている。
調査は4月1日時点のもの(東日本大震災で被害が大きかった岩手県、宮城県、福島県の3県は対象から除外)で、全国の公立小中学校の耐震化率は平均80・3%だった。耐震性のない建物の数は2万2911棟。耐震化率の伸びは2年連続で過去最高の前年度比7・0ポイント増となったが、耐震化率が50%に満たない市区町村が全体の6%に当たる99団体に上った。また、東日本大震災の発生後に追加調査した非構造部材の耐震対策の実施率は45・4%で、対策の実施校が半数に達していないことも判明した。
県内の耐震診断の実施率は99・9%で、伊東市(97・1%)と伊豆市(96・2%)を除く市町で完了済み。
耐震診断の結果に基づいて実施する耐震工事の進捗率は、前年度に比べ3・9ポイントアップの98・2%で全国トップになった。▽浜松市▽沼津市▽磐田市▽掛川市▽菊川市▽牧之原市▽函南町―が新たに100%に達したことで、すでに100%となっていた静岡市などと合わせ、23市町(牧之原市菊川市学校組合と御前崎市牧之原市学校組合をそれぞれ1市とカウント)が耐震化率100%を達成した。
一方、耐震化対策が完了していないのは、▽熱海市▽三島市▽富士宮市▽伊東市▽富士市▽焼津市▽藤枝市▽御殿場市▽下田市▽裾野市▽湖西市▽伊豆市▽小山町▽川根本町―の14市町。このうち熱海市と伊東市、焼津市、小山町の4市町で耐震化率が80%台にとどまっていた
(2011/8/29)
建通新聞社 静岡支社