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建通新聞社
2011/08/26

【大阪】公立小中の耐震化率80・3% 大阪府内の耐震化率は74.5% 文科省

 文部科学省が毎年度行っている公立学校施設の耐震改修状況調査によると、2011年度の公立小中学校の耐震化率は80.3%で、耐震性のない建物の数は2万2,911棟となった。大阪府内の耐震化率は74.5%。全国平均を下回り、全都道府県中28位。中でも守口市は、府内市町村で最も低く耐震化率26.4%。全国1,656の市区町村のうち、1,648番目の低さ。兵庫県は81.5%でほぼ平均値。全都道府県中の順位は18位だった(7面に関連記事掲載)。
 耐震化率の伸びは2年連続で過去最高の前年度比7ポイント増となったが、依然として耐震化率が50%に満たない市区町村も全体の6%に当たる99団体に上った。大阪府内の市町村は、守口市(26.4%)をはじめ、藤井寺市(27.7%)、 八尾市(31.5%)、能勢町(33.3%)
、池田市(39.1%)、東大阪市(43.5%)、豊中市(43.7%)、高槻市(45.6%)、泉佐野市(46.9%)、柏原市(48.5%)−の10市町に上る。兵庫県内は尼崎市(37.5%)、香美町(48.8%)のみ。
 大阪府の橋下徹知事はこの結果について、守口市の西端勝樹市長と話し合ったことを明らかにし、「学校数が多いが、クラス数が少ない学校も多い。現在の校区を見直し、統廃合をすべきと提案した。市長も“行革する”と同意した」と語った。今後、同市の学校再編が検討される見通し。
 耐震性がない建物は全国で2万2,911棟あり、このうち大規模地震で倒壊の危険があるIS値0.3未満の学校も4,614棟残っている。文科省は今回の調査から耐震化率の市区町村ランキングを公表、耐震化率50%未満の市区町村(学校組合を含む)が99団体あることが分かった。50%未満の市区町村が最も多かったのは北海道の25市町村で、大阪府が10市町で続く。
 文科省は、震災後の5月に公立小中学校の耐震化を前倒しで実施し、2015年度末までに完了させる目標を初めて打ち出した。耐震化率100%を達成している市区町村が全体の32.8%に達する中、ランキングの公表などで、取り組みが進んでいない市区町村の底上げを図る狙いがある。
 耐震化率に関する小中学校以外の調査結果は▽幼稚園70.9%▽高校80.3%▽特別支援学校91%―となった。木造の小中学校建物の耐震化率は74.2%。