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建通新聞社(静岡)
2011/08/26

【静岡】静岡県 生活排水処理長期計画の策定作業を開始 

 静岡県は、県内の生活排水処理施設整備の基本方向を示し、市町の下水道事業などの指針となる、新たな「県生活排水処理長期計画」の策定を開始する。生活排水処理施設の整備率の目標を定めるとともに、厳しい“経営環境”を踏まえた効果的・効率的な整備の在り方や事業手法、増大する既存ストックの維持管理の方針、耐震対策などの方向をまとめる。2011年度に基礎調査、12年度に計画内容の検討をそれぞれ外部委託し、市町や県民の意見を反映しながら12年度末に計画を固める方針だ。
 01年度末に策定した現在の計画は、2000年度を基準年度として10年後(10年度)、20年後(20年度)を目標としたもの。生活排水処理施設の整備率目標を10年度に69・6%、20年度に87・4%と設定し、これを実現するための施設整備計画を定めている。
 この計画策定から10年が経過する中で、生活排水処理施設の整備率が向上する一方、課題も顕在化してきた。市町村の合併や少子高齢化の進展、節水意識や水の再利用のさらなる高まりによる汚水量の減少、ストックの増加と老朽化に伴う維持管理費用の増大など、生活排水処理事業の経営環境は厳しさを増している。
 また、下水道の整備を今後進める区域は人口密集度が低く、費用対効果が悪いため、集落排水や合併処理浄化槽などほかの汚水処理事業の活用や、コストの低い整備手法が求められている。
 そこで、国による下水道事業計画の見直しや中期ビジョンの策定といった動きを踏まえて現在の計画を見直し、2030年度を目標年度とする新たな生活排水処理長期計画を策定する。
 すでに今後の方針などについて県内の市町にヒアリングを実施しており、11年度は課題を整理した上で、基礎調査業務を開始する。人口や汚水の量、構想に使うフレーム値の予測などを行うとともに、検討単位区域や処理区域(集合処理・個別処理)の設定を行う。
 これをベースに12年度、業務を別途委託し、整備手法の選定(下水道・集落排水・合併処理浄化槽)や下水道資源の有効活用の方針、維持管理の方針、耐震対策の在り方などを固め、新たな計画をまとめる。
 現在の長期計画の見直しに当たり、建設費のコスト縮減策や収入増・収支抑制策、さらに官民連携による新たな事業の可能性などを検討し、市町の計画と整合させる考えだ。 
(2011/8/26)
建通新聞社 静岡支社