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建設経済新聞社
2011/08/23

【京都】京都府が総合評価で見直し 最低制限価格での落札増加に対応 地域活性型の総合評価で 評価項目「施工計画」追加等

 最低制限価格付近での応札が増加し、くじ発生率が増えている状況を踏まえ、京都府は、地域活性型の総合評価競争入札で評価項目として「施工計画」を追加するなど一部見直す方針を明らかにした。
 8月19日開催の京都府総合評価競争入札審査委員会で明らかにした。技術力が生かされる競争環境の構築や、工事品質の確保がねらい。
 地域活性型の総合評価競争入札において、評価項目に「施工計画」の追加を試行する。
 評価項目の細分化も行う。現行の評価項目は、加算点の基準が3段階であるものが多く、点数差が発生しにくい状況のため、3項目で加算点基準を細分化する。
 現行、配置予定技術者(工事成績)の評価基準は、配置予定技術者の同規模工事の監理技術者または主任技術者としての最高評点が「70点以上は加算点1点」、「65点以上70点未満は加算点0・5点」「65点未満又は実績なしは0点」の3段階だが、技術者の能力を適切に評価するため、多段階に変更する方針。
 技術者の継続教育(CPD)は現行、「1年間の取得単位10単位以上は加算点0・5点」「1年間の取得単位10単位未満は加算点0点」だが、技術者の能力及び技術力向上への取り組みを適切に評価するため、CPD評価基準を細分化。建設機械の保有状況による評価も「自社所有(1台以上。リースによる保有含む)は加算点1点」「自社所有でない場合は加算点0点」だが、所有台数により評価基準を細分化する。

一部工事で予定価格事後公表検討
情報漏えい防止策とセットで
建築設備で総合評価試行も

 このほか、建築設備工事(電気・管工事)でも総合評価を試行する。地域活性型は原則1000万円以上4500万円未満(技術者項目…過去の工事成績評定点)、技術重視型は原則4500万円以上(施工計画にかかる簡易な技術提案を求める)、標準型は原則大規模案件(個別に落札者決定基準を決める)。
 落札者決定基準の評価項目として、技術者の継続教育(CPD)は〈1年間の取得単位6単位以上で0・5点〉〈1年間の取得単位6単位未満で0点〉を適用する。また新たに「技能士(複数)又は基幹技能者」を評価項目として追加する。〈指定職種において活用あり1点〉〈指定職種において活用なし0点〉とする。
 「建築設備工事の試行」、「技能士(複数)又は基幹技能者の追加」は23年10月以降の公告から適用予定。「技術者の継続教育(CPD)」の適用は周知期間を考慮して、24年1月以降の公告からを予定。
 上位ランクの業者向けには、大型工事をマネジメントする能力(積算技術も含めて)を有する業者が活躍できる環境を整える方針で、一部の工事で予定価格の事後公表を検討。情報漏えい防止(コンプライアンス[法令遵守])対策もあわせて検討する。
 府総合評価競争入札審査委では、22年度における総合評価競争入札(簡易型)の実施状況も明らかにした。土木一式・舗装の技術重視型が80件、地域活性型が60件、地域活性型Bが73件。22年度に導入した建築一式の地域活性型Bは3件で、合計216件。
 平均参加者数は12・0者(21年度は12・4者)。平均落札率は82・7%(81・1%)。入札金額が第1位でない業者が落札する逆転数は96件(83件)で、全体の44・4%(49・7%)。入札金額が同額のためくじで落札者を決定する、くじ発生数は31件で、全体の14・4%(4・2%)。
 評価項目の分析によると、「地域点(主たる営業所の所在地)」では、地域点を設定した工事151件を全て発注した土木事務所管内の業者が落札していた。このうち、地域点が優位に働き落札した件数は13件。
 「府内下請け」では、府内施工率を100%とした業者が府内下請け項目設定案件216件中214件を落札。「府内調達」では指定資材を100%府内とした業者が府内調達項目設定案件すべてを落札した。