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建通新聞社(静岡)
2011/08/22

【静岡】静岡県 津波対策アクションプログラム策定へ ソフト・ハード両面で新たな対策と目標を設定

 静岡県は、東日本大震災を踏まえた津波対策の実効性を高めるため、「ふじのくに津波対策アクションプログラム」を策定する。県津波対策検討会議での検討結果などを踏まえ、海岸の耐震(液状化)調査や突発地震に対応した海岸保全施設の整備、津波避難ビル・避難地誘導看板の設置など県が実施するソフト・ハード両面の取り組みと目標、達成時期などを盛り込み、短期的対策と中長期的対策を計画的に進めていく考えだ。県防災・原子力学術会議(津波対策分科会)の助言などを得て2011年度中に短期的対策のアクションプランを固める。
 県が06年8月に策定した「地震対策アクションプログラム2006」の中から津波対策に関連する事項を抽出。これに、津波対策施設の緊急点検や緊急津波避難訓練の結果から、短期・中長期的に取り組むべきと津波対策検討会議が位置付けた施策を新たに盛り込む。
 アクションプラン案のうちハード面では、▽津波対策水門・津波対策堤防施設の整備▽情報提供施設などの整備・耐震調査の実施▽既存公共土木施設などへの避難用階段の設置▽既存急傾斜地崩壊対策(階段など)の設置▽突発地震に対応した海岸保全施設(水門・陸閘=こう)の整備▽県防災行政無線のデジタル化―を新たな取り組みとして提示。地震対策アクションプログラム2006からの抽出事項として▽漁港海岸保全施設(堤防、護岸、胸壁、水門など)の整備▽港湾海岸保全施設(堤防、胸壁、水門など)の整備―を掲げた。
 津波対策水門・堤防施設の整備では、県の第3次被害想定に基づく海岸線の整備率を13年度末に91・0%に、河川の整備率を57・9%に引き上げる。
 情報提供施設の整備と耐震調査として、9海岸の液状化調査を15年度末までにすべて完了させるとともに、情報提供施設の整備を行う。
 既存公共土木施設などへの避難階段の設置で、耐震水門3門すべてに11年度末までに避難階段を設置し、海岸堤防への避難用階段の設置と避難誘導看板30カ所の設置を13年度末までに完了する。
 突発地震に対応した海岸保全施設の整備では、津波発生時に閉鎖可能な水門・陸閘の整備率を15年度末までに74・1%に引き上げる。
 漁港海岸保全施設と港湾海岸保全施設は、15年度末の整備率をそれぞれ82・2%と95・8%にすることを目指す。
 一方、ソフト対策として新たに掲げたのは、▽市町津波避難計画の策定(沿岸21市町すべてで15年度末までに策定)▽津波避難ビル・避難地誘導看板の設置(11年度末までに967基)▽海抜・津波痕跡表示看板の設置(11年度末までに7332基)▽沿岸部の同報無線難聴地域の解消(15年度末までに完了)―など。
(2011/8/22)
建通新聞社 静岡支社