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相鉄ホールディングス（横浜市西区北幸２ノ９ノ14）は、２０１１〜13年度を事業期間とする「相鉄グループ中期経営計画」を公表した。ＪＲ線・東急線との相互直通事業を好機ととらえ、いずみ野線沿線のまちのリノベーションや横浜駅周辺での再開発事業などを推進する。経費の削減と新技術・新規事業の研究を進め、13年度の営業収益を２６３０億円（10年度実績２６２８億７２００万円）、純利益を80億６０００万円（同68億４８００万円）と見込む。不動産投資は、都心の収益物件に２８５億円を投入する。魅力ある沿線の創造とブランド力を生かした事業領域の拡大を目指す。
　セグメント別概要は次の通り。
■不動産セグメント
　「二俣川駅南口再開発事業」に事業協力者として参画し、二俣川駅周辺を横浜駅に次ぐ第２の拠点として積極的に開発する。再開発に伴う街路事業の進捗により、バス路線を見直す可能性もある。
　相鉄線沿線のブランド向上策「いずみ野線リノベーション計画」は、住宅エリアと商業エリアの再配置などにより、まちの顔である”駅前”のリノベーションに乗り出す。重点地区は、ゆめが丘地区をはじめ▽南万騎が原▽弥生台▽いずみ野―の各駅周辺。いずみ野線方面は、ＪＲ・東急線との直通線が19年度に開業すれば、東京方面へのアクセスがより向上する。若い世代層に居住地として選ばれるために、現状の課題を抽出して解決策を検討。まちの機能更新を目指す。
　横浜駅周辺大改造計画「エキサイトよこはま22」関連では、「横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業」の事務局や「鶴屋地区街づくり協議会」のサポーターを務める。駅ビル「相鉄ジョイナス」の建て替えについては内部で検討を進めている。ＪＲ東日本と東急電鉄による駅ビル「シァル」建て替えと調整しながら整備計画を策定し、シァルが完成する18年度までには、ジョイナスの再整備に着手する見通し。
　このほか、東京都心を中心としたオフィスビルや賃貸マンションなど、区分所有や一棟売りを問わず、収益不動産を積極的に取得する。投資総額はマンションが85億円程度、オフィスが２００億円程度。
　不動産セグメントの10年度営業収益は６８０億４７００万円、営業利益が90億３８００万円（実績）。13年度は営業収益６７６億８０００万円、営業利益１１５億６０００万円を見込む（計画）。
■建設セグメント
　規格型賃貸マンション「ソフィール」の販売や、アスベスト飛散防止剤を霧状にして散布し除去作業を進める「ＳＯＫＥＮ―ＤＡ工法」によるアスベスト対策事業を推進。保有する技術を生かしての新規事業を展開する。
　10年度の営業収益は１７８億６５００万円で、営業損失が４億１５００万円（実績）。13年度は営業収益２１３億５０００万円、営業利益２億１０００万円を見込む（計画）。
■流通セグメント
　駅売店の出店を年間１〜３店舗程度進める。スーパーマーケット「そうてつローゼン」は、営業時間の見直しなどで経営を改善する。
　10年度の営業収益は１２００億６６００万円で、営業損失が４００万円（実績）。13年度は営業収益１１１７億８０００万円、営業利益12億７０００万円（計画）を見込む。
■その他セグメント
　宿泊特化型ホテルの開業目標を、19年度に全国50店舗超体制とした。神奈川県内では13年度、客室数１２８室の「フレッサイン馬車道」を建物借上げ型で整備する計画だ。このほか、相鉄線の都心乗り入れや都心部での不動産投資に合わせ、事業領域の拡大を研究する。
　10年度の営業収益は３７１億３５００万円、営業利益が４億２８００万円（実績）。13年度は営業収益４３７億７０００万円、営業利益20億９０００万円（計画）を見込む。