静岡県は、東日本大震災の津波被害を踏まえた道路関係の対策として、緊急輸送路の見直し案を検討するとともに、浸水の恐れのある区域に設置している応急工事資材などの備蓄倉庫の統廃合や移設を検討する。
県では、地震などの災害発生時に応急物資などの緊急輸送を円滑に行うため、高規格幹線道路や国道などの広域的な重要路線(延長約2010`、うち県管理区間延長約1000`)を緊急輸送路に指定。県の第3次被害想定に基づき、これまで橋梁の耐震対策を進めてきた。
しかし、緊急輸送路のうち延長約150`(県管理区間延長約100`)が浸水想定区域にあるため、津波の発生時に機能しなくなる恐れがある。
そこで、短期的な対応として、緊急輸送路の確保と応急工事資材などの備蓄倉庫の確保に取り組むこととした。
緊急輸送路の確保では、まず、津波による浸水範囲(路線、区間)を設定し、橋梁など道路施設への影響を検証。寸断の可能性がある個所のう回路案を検討し、狭あい区間などがないかを確認するとともに、寸断個所の復旧の優先順位を付ける。その上で、2012年の供用が見込まれている新東名高速道路を考慮した緊急輸送路の見直し案を検討する。
また、応急工事資材などの備蓄倉庫は、県管理の道路上に42カ所ある。津波による影響がないか検証し、浸水の恐れがある倉庫の統廃合や移設について検討する。
さらに、国の中央防災会議による「東海・東南海・南海」の3連動地震の被害想定や、これを踏まえた県の新たな被害想定の策定後、緊急輸送路と備蓄倉庫の確保についてあらためて見直す。
(2011/8/19)
建通新聞社 静岡支社