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建通新聞社(神奈川)
2011/08/17

【神奈川】旧住友家俣野別邸を再建

 横浜市環境創造局は、2009年3月の火災で焼失した「旧住友家俣野別邸」について、再建に向けた検討を開始する。学識経験者や地元の意見の聞き、順調にいけば11年度中に設計を委託する方針だ。別邸跡地では公園としての整備が進むが、往時をしのぶシンボルを外観だけでも復元し、施設の魅力を高める。
 旧俣野別邸は1939年に住友家16代当主が建設。昭和初期のモダニズム様式を取り入れた貴重な建築物で、2004年に国の重要文化財に指定された(11年4月に指定解除)。横浜市は別邸と約5・8fの庭園を取得し、07年度から公園として再整備を進めている。
 建物の規模は、主屋が木造2階一部地下1階建て延べ456平方b、附属屋が平屋52平方b。
 火災で主屋の大部分は焼失したが、附属屋や石垣、主家の子供室棟とサービス棟の一部、門塀、擁壁、瓦、建具などが焼失を免れた。現在はほぼ消火した当時のままの状態となっている。
 再建に当たっては、豪華な全容をそのまま復元することは難しいが、燃え残った基礎や部材をできるだけ使用し、外観だけでも再現する方針だ。
 別邸跡では、主屋の庭園に樹林地や農地などが取り囲み、建築物だけでなく、市街地に残る自然の価値も貴重。火災で一時公園としての整備を中断したが、10年11月に園路や休憩施設などの工事を再開した。12年度に西側の約半分を部分開園する予定だ。
 11年度分は10月ごろに発注。約1500平方bの駐車スペースの整備や周囲の植栽を実施するほか、焼失した邸の主屋を撤去する。
 所在地は戸塚区東俣野町80ノ1。