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建通新聞社(中部)
2011/08/08

【愛知】平針住宅建替基本計画策定調査を黒川に

 愛知県建設部は、県下最大級の県営住宅団地である平針住宅の建て替え工事を街区ごとに進めており、9街区の「平針住宅建替基本計画策定調査」を委託するため、プロポーザル方式(簡易指名型技術者評価方式)を実施し、技術提案書を審査した結果、業務委託先に黒川建築事務所(名古屋市昭和区)を特定した。今後、随意契約を結び次第、調査業務を進めていく。委託期間は2012年3月末ごろまでの予定。
 平針住宅は、名古屋市天白区天白町字平針に、1962年から住宅棟の建設を開始し、公共施設や公益的施設の整備も進められた10・3fの県営住宅としては最大級の大規模団地。築後40年以上が経過し、施設の更新が必要なことから、段階的に整備を進めている。
 基本計画策定調査の対象とされている9街区は、主に鉄筋コンクリート造5階建ての中層耐火構造の住宅17棟で、住戸数は396戸が立地している。また、街区の中央の丘陵部分は公園が整備されている。
 業務は、これら17棟の中層耐火構造の住宅を高層化し、1戸当り面積を増やして住宅棟を数次に分けて建て替える際に、できるだけ戸数を減らすことなく、地形を生かした配置や駐車場の確保などを計画する。
 また、9街区にはY字型をしたスターハウスが4棟ほどあり、平針住宅の景観的特徴となっており、今回の計画策定調査の中ではこれらの要素をいかに計画に取り込んでいくかもポイントとなる様子だ。
 今後のスケジュールは、11年度内に基本計画策定調査を完了させるが、12年度に実施設計に着手できるかは未定となっている。
 スターハウスは、日本住宅公団の団地への導入を皮切りに、昭和30年代に多数の団地でポイントハウスとしてスターハウスが建設されていた。現在では築後40年を超えて老朽化が進み、建て替えによってスターハウスの除却が全国的に進んでいるが、近年はスターハウスを保存する動きも起きており、一部では保存が確定するなどしている。