建通新聞社(中部)
2011/08/08
【三重】水力発電事業を中部電力へ譲渡 関連整備を11年度から
三重県企業庁は水力発電事業を中部電力に譲渡するため、2日、両者が「資産等の譲渡・譲受に関する基本的事項の合意書」に調印し締結した。譲渡価格は105億円。今後、2013年4月から3カ年で三瀬谷発電所など10発電所を順次譲渡する。譲渡に先駆けて、県企業庁側が老朽設備の更新、改修などを行うことになっており、11年度から3カ年で整備を進める。
設備更新、改修の主要な部分は、宮川第一発電所の主要変圧器3台、宮川第二と三瀬谷発電所の主要変圧器各1台の計5台と各発電所の変電設備で、これらの施設は設置後40年以上経過し老朽化している。また、取り替えにより撤去された変圧器などの絶縁油には、PCBが含まれているため、その保管施設を宮川第二発電所に整備する。このほか建物クラックの改修などを予定している。
各施設整備にあたり10年度に設計を実施しており、設計の概要では、宮川第一発電所(紀北町紀伊長島区島原)の主要変圧器が、77kV主変圧器、屋外用外鉄型、容量は1万1000kVA。台数は3台で、あわせて1件として11年度に発注する。宮川第二発電所(紀北町紀伊長島区三浦)の主要変圧器は154kV主変圧器、屋外用外鉄型、容量は7万8000kVAの1台で11年度に発注する。三瀬谷発電所(大台町菅合)の主要変圧器は154kV主変圧器、屋外用油密封型。容量は1万5000kVAの1台。12年度以降に発注する。
また、宮川第二発電所に設置するPCBの保管施設は、変圧器撤去時には必要な施設となるため、11年度から12年度にかけて実施できるよう債務負担行為の予算措置を行っている。
このほか、大和谷発電所(大台町久豆)の主要変圧器周辺の沈下対策(クラック対策)を11年度に発注、宮川第三発電所(大台町大杉)の建物クラックの改修を12年度以降に予定している。
なお、発電所の譲渡は、13年度に青蓮寺、比奈知、青田、14年度に蓮、宮川第一、宮川第二、15年度に宮川第三、大和谷、長、三瀬谷の各発電所を譲渡する。10発電所の最大出力は9万8000kW。