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福島建設工業新聞社
2011/08/11

【福島】インフラの防災力強化/県復興ビジョン正式決定

 震災からの復興を目指し、県土再生へ歩み出すための県の復興ビジョンが、11日の第4回県東日本大震災復旧・復興本部会議で正式決定した。基本理念に掲げた「脱原発」など3つの考え方に基づき、最先端の放射線医学を核とした医療産業の集積や、再生可能エネルギーによる新たな産業創出、徹底した除染対策などの施策を盛り込んだ。
 佐藤知事は「新生・福島に向かって踏み出す第一歩。将来を託せる福島県づくりに全力を尽くしたい」と語った。県はビジョンを踏まえ、ビジョンに示した施策を具体化させていくための取り組みを盛り込んだ復興計画を、年内に策定する。
 ビジョンは計画期間10年。基本理念に@原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくりAふくしまを愛し、心を寄せるすべての人々の力を結集した復興B誇りあるふるさと再生の実現−を掲げた。
 復興に向けた主要施策として、緊急的対応、ふくしまの未来を見据えた対応=中長期と合わせ、未だ集束していない原子力災害対応の3つの柱を立てた。具体的施策として生活基盤・インフラの整備や産業の再生、新しい産業と雇用の創出、原子力に関する国、国際的研究機関誘致などを位置付けた。
 災害に強い社会づくりとして骨格道路、連携軸の整備促進や小名浜・相馬両港の早期復旧と整備推進、コンパクトで人中心のまちづくりなどの考え方も掲げた。
 公共防災拠点施設をはじめとした道路、港湾、上下水道などインフラの防災力強化にも取り組む。道路に津波被害の減災機能を不可、海岸堤防や防災林、道路、鉄道などの機能的な組み合わせで、地域全体の防災機能を向上させる。
 素案段階では記載のなかった項目も新たに付け加えた。警戒区域等の区域見直しを見越して、帰還する住民の生活基盤を確保するためのインフラの早期復旧を図るほか、避難住民の恒久的な住宅対策、企業の県外流出を防ぐためのインセンティブ付与、汚染地域での環境回復などを追記した。
 復興計画策定には、意見聴取、募集を通じて寄せられた声を反映させていく。