甲府市上下水道局は下水道施設の地震対策を進めている。2008年度には「下水道地震対策緊急整備計画」を策定。09〜13年度の5カ年計画で管路などの設備を耐震化する。
同計画では防災拠点につながる管路など緊急整備箇所約13・9qを優先して耐震化する。緊急時用のトイレを確保するためマンホールトイレの設置も進める。また、地上プラント施設の耐震化も順次行っていく。
甲府市が行う事業の成果や方向性について評価する甲府市事務事業評価委員会は同事業を、「暮らしを守る上で重要。積極的かつ円滑に推進すること」と継続推進との評価をまとめた。
同委員会は事業の進捗状況をみる指標として@管更正A可とう性継手、マンホール浮上防止Bマンホールトイレシステムの実績値を挙げた。
管更正は既存管の内側に新しく管をつくることで耐震性をもたせる工法。計画によると、緊急整備箇所で予定する管更正は計1114m。昨年度までに計画の約44%にあたる約490mが完了した。本年度は昨年度からの繰越分を含め約390mの工事を予定している。
可とう性継手はマンホールと管の接続部に柔軟性を持たせることで接続部の離脱を防ぐもの。設置箇所は78カ所計6193m。また液状化によるマンホールの浮上防止対策は154カ所計6618mを予定。ともに本年度から3カ年で実施する計画だ。
マンホールトイレシステムは、緊急時用の下水道管を活用した簡易トイレ。予め幹線となる下水道管から災害拠点まで同システム用の管を布設しておくことで、緊急時に簡易トイレを設置することができる。12年度4カ所、13年度3カ所の設置を予定している。
事業費は本年度2億1700万円、12年度1億2800万円、13年度9000万円を見込む。本年度については、このほかに昨年度からの繰り越し分もあるという。
提供:山梨建設新聞