北海道建設新聞社
2011/08/02
【北海道】室蘭建管が大岸礼文停線を改築へ−落石防止でトンネル化
室蘭建管は、豊浦町内の大岸礼文停線で防災などを目的とした改築を計画し、2012年度の新規事業着手を要望している。対象区間は約700mで、うち175mをトンネル化し落石危険箇所の回避を図る。総事業費22億円を見込み、18年度の完了を目標としている。
同路線は、町内の大岸地区と礼文華地区を結ぶ生活道路であり、水産物の輸送ルートとしても利用されている。沿線にはキャンプ場や海浜公園もあり、夏場は観光客の往来も多い。
今回計画する区間の前後はすでに改築済みで、2車線による十分な幅員が確保されているが、該当区間は落石などの危険から頻繁に通行止めになる上、幅員が4mと狭く急カーブが連続。さらに切り立った崖がせり出して見通しが悪く、交通安全上の課題も多い。
防災措置として斜面対策も比較検討したが、大規模な切り土が必要で、経済性や地形の大きな改変に伴う景観への影響からトンネルルート案を採用した。
整備延長は666mで、幅員は車道5m、両側に1・25mの路側帯を置く7・5mに広げる。危険箇所を回避する形で延長175mのトンネルを新設するほか、海側に2カ所、100mと35mの擁壁を設ける計画だ。
地元からの早期改良を望む声は強く、防災や交通安全対策の必要性と緊急性を踏まえ、12年度事業化を目指して準備を進める考え。予算配分などにもよるが、順調にいけば13年度の着工を見込んでいる。